紀文食品(2933)が4月13日、東証1部に新規上場する。
食に関する幅広い事業を展開し、社会の発展と豊かなライフスタイルの確立に貢献するグローバルな企業を目指している。
グループは同社のほか、連結子会社14社、非連結子会社1社、持分法適用関連会社3社で構成。日本国内において水産練り製品・惣菜・水産珍味などの製造販売、農水産物の輸出入・仕入販売を行う「国内食品事業」、海外において水産練り製品などの製造販売、農水産物の輸出入を行う「海外食品事業」、日本国内において食品の運送、その他食品に関連した事業を行う「食品関連事業」の3つが主力事業。付加価値の高い魅力ある商品開発に取り組み、高まる健康志向や簡便志向、ロングライフ需要に応える製品を投入することで売り上げの確保を図るとともに、原材料の安定した購入、生産性向上、コスト削減に取り組み、利益の拡大に努めている。
2021年3月期は、国内食品事業において春夏期の新商品が好調だったほか、水産練り製品についての健康志向を訴求する販売促進策が奏功。正月関連製品が堅調だったほか、コロナ禍による消費行動の変化の後押しを受けて好調に推移。国内食品事業の売上高は756億1,100万円(前期比1.3%増)の見込み。
海外食品事業は、「ヘルシー・ヌードル」が米国で大きく伸長。現状では回復傾向にあるものの、アジア、欧米諸国の感染拡大が深刻化した昨年4月以降、飲食店の営業中止により業務用部門の売上高は大幅に落ち込んだ。特に、カニ風味かまぼこの売り上げが大きく減少。同事業の売上高は139億5,200万円(同12.3%減)を見込む。
食品関連事業は、運送事業においてコロナ禍の影響で百貨店の共同配送、コンビニエンスストア向けや土産用、業務用の物量が大幅に減少。同事業の売上高は239億600万円(同5.0%減)の見込み。
セグメント間の内部売上高128億8,200万円を控除し、3事業合計の売上高は1,005億8,700万円(前期比1.6%減)、営業利益34億7,100万円(同26.0%増)の予想。配当は12円(前期は5円)の予定。
水産練り製品・惣菜は冬季に、おでん・鍋物などに向けての需要が高まることと、12月におせち料理の売り上げが集中するため、第3四半期(10~12月)に売上高、営業利益が偏重する傾向にある(20年3月期の場合、第3四半期の構成比は売上高で32%、営業利益は97%を占める。第1、第2四半期はともに営業赤字)。
中期的な経営戦略は、①国内事業の安定成長と海外事業の拡大によって成長を加速させる② トータルコストを見直し、コスト競争力のある強靭な企業体質を目指す③社会に求められ、支持される存在であるために経営の進化を続ける。
概要
●事業内容=水産練り製品類、惣菜類、水産珍味類などの食品製造販売および仕入販売
●本社=東京都中央区銀座5-15-1
●代表者=堤裕代表取締役社長
●設立=1947年9月
●上場前資本金=44億2,580万円
●発行済み株式数=2,220万8,181株(上場時)
●筆頭株主=保芦將人(上場前25.79%)
●公募株式数=300万株
●売出株式数=114万4,000株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が62万1,600株)
●仮条件=3月22日に決定
●ブックビル期間=3月24日から30日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、野村、大和、SMBC日興、SBI、極東、エース
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2019.3 | 103,237 | 2,054 | 24.70 | 5 |
2020.3 | 102,252 | 2,307 | 51.19 | 5 |
2021.3(予) | 100,587 | 2,959 | 106.20 | 12 |
※単位100万円、1株利益・配当は円 |