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IPO2021年3月25日

新規上場紹介 4月22日 マザーズ ステラファーマ 新しいがん治療用ホウ素薬剤開発

ステラファーマ(4888)が4月22日、マザーズに新規上場する。

ステラケミファ(4109)の子会社。がんの新しい治療法「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」で使用される薬剤の開発、製造、販売を主な事業としている。

BNCTは、ホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ、体外から中性子線を照射。がん細胞を選択的に破壊する放射線治療の一手法。戦前から考案されていたが、効果的な反応が得られるホウ素薬剤と高強度の中性子源が必要不可欠で、長く実用化が困難とされていた。

ステラケミファはホウ素薬剤の研究を進めてきた。また、BNCTに適した中性子線を発生させる小型加速器が、住友重機械工業(6302)によって開発されたことから、2007年にステラファーマが設立された。高純度に濃縮されたホウ素「B-10」を原料に、原薬「ボロファラン」を製造し、「ステボロニン」に製剤加工する。

「ステボロニン」は「切除不能な局所進行または局所再発の頭頚部がん」を効能・効果として、20年3月に医薬品製造販売承認を取得し、5月に販売を開始した。BNCT用ホウ素薬剤が薬事承認を得たのは世界で初めて。顔から首にかけては重要な器官が集まっており、外科的手術が困難な場合がある一方、BNCTは正常組織への影響が少ないという。既に大阪医科大学附属病院など2施設でBNCTによる治療が開始されている。このほか、脳腫瘍、悪性髄膜腫、メラノーマに関する臨床試験も実施している。

高品質な原料の安定調達が可能で、製材処方に関する特許も複数取得している。競争優位性を維持しながら、「ステボロニン」を医療現場へ提供するために事業を推進。今後も研究開発や臨床試験を継続していくとともに、欧米での展開も目指していく。

21年3月期の業績は売上高2億500万円(前期は無し)、営業損益6億8,800万円の赤字(前期は9億5,100万円の赤字)を見込んでいる。

概要

●事業内容=BNCT(ホウ素中性子補捉療法)に使用されるホウ素医薬品の開発および製造販売
●本社=大阪市中央区高麗橋3-2-7 ORIX高麗橋ビル
●代表者=上原幸樹代表取締役社長
●設立=2007年6月
●上場前資本金=19億9,996万4,000円
●発行済み株式数=2,752万8,800株(上場時)
●筆頭株主=ステラケミファ(上場前60.43%)
●公募株式数=739万1,400株
●売出株式数=110万8,600株(オーバーアロットメントによる売出)
●仮条件=4月2日に決定
●ブックビル期間=4月6日から12日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、大和、SMBC日興、いちよし、エース、岩井コスモ、SBI、楽天

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2019.3 0 ▼856 ▼66.28 0
2020.3 0 ▼959 ▼61.68 0
2021.3(予) 205 ▼656 ▼33.01 0
※単位100万円、1株利益は円
▼は赤字

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