シナネンホールディングス(8132)が14日開示した前2021年3月期決算は、売上高2,171億2,200万円(前々期比8.4%減)、営業利益29億3,500万円(同19.6%増)。22年3月期の業績は売上高2,440億円(前期比12.4%増)、営業利益21億円(同28.5%減)を見込んでいる。配当予想は75円で据え置いた。
コロナ禍で年度初めに大きく下落した原油やプロパン価格は、ワクチン普及への期待感やOPECプラスの協調減産などで、年度末にはコロナ拡大前の水準まで戻った。
消費者向けエネルギー卸・小売り周辺事業は減収になったが、寒冷地を中心に差益が改善し、営業利益は前々期比25.7%増の大幅増益となった。
法人向けのエネルギーソリューション事業も減収の一方で、原油市況の変動に対応した仕入れ施策で増益を確保した。また非エネルギー及び海外事業では、コロナ禍で自転車や抗菌剤が順調に推移。一方、ブラジルのバイオマスは不振で撤退を決めた。この結果、事業としては増収減益に。
今期は足元の原油やプロパン価格上昇で増収を見込む一方、利益面は再生エネルギー事業など中長期的なトレンドを踏まえた新規事業への先行投資、IT関連投資を積極的に推進するため、減益を見込んでいる。(HS)