アルマード(4932)が6月24日、JASDAQに上場する。
タマゴの殻の内側にある薄膜である卵殻膜が有する美容や健康効果を科学的に解明し、食品、化粧品、サプリメントを製造・販売している。
18種類のアミノ酸やヒアルロン酸などで構成される卵殻膜には美容や健康成分が含まれている。熱に強く水や油に溶けにくい性質のため、そのままでは体内で成分を吸収することができないものの、2007年にスタートしたアルマード産学連携プロジェクトによって皮膚の弾力性増加や肝機能改善への有効性が認められるようになった。難病指定されている潰瘍性大腸炎の改善にも有効だという。
天然素材であることから品質面でばらつきがあり、加工コストも非常に高かったが、大学などと研究開発を進めた結果、品質、コスト面での課題を解決する独自の加工技術を開発することに成功した。創業時から蓄積してきた卵殻膜に関する技術や知見の一部は特許として出願。大学や企業との卵殻膜に関する共同研究による応用ノウハウ蓄積のほか、積極的な広告展開や研究開発も可能にした。
健康食品や化粧品などの製品はTVショッピング、外部間接販売、自社直接販売のチャネルを通じて販売している。TV通販ではQVCテレビショッピングにおいて、化粧品の「Odeシリーズ」や全身美容サプリメント「TO-Ⅱ」などの販売を行っている。
外販の主要商品は「Ⅲ型ビューティドリンク」や「Ⅲ型サプリメント」など。取引先からの注文に基づいて同社委託先で製品を製造して販売するビジネスモデルと、同社が企画・開発した製品をドラッグストアなど量販店や理美容室などに卸売り販売する形態がある。
直販では自社ECと他社ECサイトを通じて、化粧品の「CELLULAシリーズ」などを販売している。2018年4月に定期購買サービスを始めた自社ECサイトの会員数は、19年3月末の2万2,849人から21年3月末には3万7,829人に増加。定期購入型ビジネスモデルは顧客に継続して購入してもらうことで安定的な収益確保を実現している。
2022年3月期業績は、売上高48億8,300万円(前期比7.4%増)、経常利益8億1,900万円(同52.5%増)を見込む。(NA)
概要
●事業内容=卵殻膜を配合した食品、化粧品の企画・開発・販売
●本社=東京都中央区京橋3-6-18
●代表者=荒西俊和代表取締役社長
●設立=2000年10月
●上場前資本金=1億1,000万円
●発行済み株式数=1,039万4,000株(上場時)
●筆頭株主=アント・ブリッジ4号A投資事業有限責任組合(上場前66.42%)
●公募株式数=5万株
●売出株式数=525万 株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が79万5,000株)
●仮条件=6月8日に決定
●ブックビル期間=6月9日から14日まで
●引受証券=野村(主幹事)、みずほ、SMBC日興、SBI、マネックス、岡三、いちよし、東海東京、楽天
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2020.3 | 5,796 | 982 | 64.97 | 0 |
2021.3 | 4,547 | 537 | 36.89 | 0 |
2022.3(予) | 4,883 | 819 | 55.31 | 0 |
※単位100万円、1株利益は円 |