7月30日(金)のマーケット
前日の米国株式市場で NYダウは反発。4~6月期のGDPは年率換算で前期比6.5%増加し、市場予想の8.5%増に届かなかったため、早期のテーパリング観測が後退。フォードは業績上方修正で買われ、GMも連れ高。マスターカードは4~6月期のカード利用の伸び率が36%とアナリスト予想の31%を上回ったことで買われた。NYダウは前日比153ドル(0.44%)高の35,084ドル。ナスダックは小幅続伸。電気自動車のテスラが買われ、半導体メーカーのクアルコムは5G向けの拡大により7~9月期業績に強気の見通しを示したことで買われた。一方でフェイスブックは売られた。ナスダック総合指数は前日比15ポイント(0.11%)高の14,778ポイント。S&P500指数は前日比18ポイント(0.42%)高の4,419。
本日の東京市場は反落スタート。新型コロナウイルスの感染が29日に初の1万人超えとなったことや、月末の日経平均が昨年9月以降10カ月連続で下落していることが警戒され、売り先行の展開。先物主導で下げ幅を拡げ、一時は500円超の下落となった。信用期日到来となっている 値がさハイテク株が売られ、指数の下落に拍車が掛かった格好。“月末株安アノマリー”の呪縛は解けずに大幅反落となり、大引けの日経平均は498円安の2万7,283円。売買代金は2兆8,469億円。TOPIXは26ポイント安の1,901ポイント。
新興市場も反落。JASDAQ平均は反落。シンバイオ製薬やセプテーニ、シキノハイテックが下落。一方、再生可能エネルギー関連のウエストHDは政策関連への期待で朝方一時5000円に乗せた。シンワワイズは美術品オークションで同業のアイアートを完全子会社化すると発表したため、企業規模拡大期待で買われた。マザーズ指数は2.6%超の大幅反落。GNIグループとBASEが大幅安。対して、グローバルウェイは5日続伸し、アイドマが続伸。
日足チャート上では大陰線を引き、5月安値を切って下値模索の展開。200日移動平均線からの下方乖離も広がり2万7,000円の節目が見えて来た。ボリンジャーバンドの-2σ近辺まで到達しており、一旦は自律反発も考えられる水準。週足では、5週連続の陰線となっており、年初の株価位置に急接近。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。世界的にデルタ株への置き換えが急激に進んでおり、心配の芽は尽きません。
アジア各国でデルタ株の感染が広がっていることもありますが、それとともにおよび欧米諸国が待ちに待ったバカンスシーズンを迎えて、外出規制を解きレストランやホテルの滞在を解禁して、公の場でのマスク着用を緩めるなど、一斉に規制解除に踏み切ったことが影響していると見られます。
日本の状況は、感染者数は急増しているものの、重症患者数は第4波ほどには増えておりません。高齢の方を中心にワクチン接種が進んだ効果と見られます。それでも40~50歳代で入院患者が増えているために、楽観が許される状況でもありません。
あらゆる方面で変化が一度に始まりつつあります。経験値のない事態が立て続けに起こっており、そのために明確な判断を保留しているという投資家が多いように感じられます。
先行きの見極めにくい状況にあって、頼りになるのは企業業績です。先週から今週にかけて、米国では「GAFAM」がそろって決算発表を迎えました。いずれ劣らぬ好調な業績を示しています。それだけで投資家には安心感をもたらします。
日本では配当金の増加が注目されつつあります。経済が根底から揺さぶられるような状況では、売上や利益の伸び率よりも配当金の絶対額の大きさ、あるいは配当利回りの高さが有利となります。ここから先は増配余力の大きな企業が見直される可能性が高いと考えられます。そのような銘柄をこの先も探してゆきたいものです。
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注目記事 Pick up
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【ハイテク不遇の影に「高値期日」 “増額不発”村田製作所も8月入り後に復権か】
日本証券新聞8月2日(月)紙面1面TOP記事掲載
日経平均11カ月連続月末安
やはり今月も“月末安のワナ”から逃れることはできなかった…。
月末の日経平均は、これで「11カ月連続安」。TOPIXの日足陰線記録も「21カ月連続」まで伸ばしたが、値がさ株安効果から日経平均の下落率が上回り、NT倍率は再び昨年10月13日以来の低水準に沈んだ。
本来なら、この日のハイライト銘柄となるはずだったのが村田製作所(6981)。7月29日引け後、今3月期収益見通しを増額修正。営業利益を3,200億円から3,650億円(前期比16.5%増)に引き上げて、市場筋注視のもとカイ気配で始まったものの、寄り付き直後の2.7%高で頭打ちとなり、結局、小幅安のまま大引けを迎えた。同じく通期収益増額組のファナック(6954)も一時6.7%安まで売られている。
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今日の市況概況
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7月30日(金)☆[概況/大引け]
月末の日経平均下落は11カ月連続。ファナックや富士通、アンリツ、新光電工が売られた。商船三井と日本郵船は上場来高値
大引けの日経平均は498円安の2万7,283円、TOPIXは26ポイント安の1,901ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は275、値下がり銘柄数は1,875。出来高は12億3,671万株、売買代金は2兆8,469億円。
国内の新型コロナウイルス感染拡大が加速していることや月末の株安アノマリーが警戒され、日経平均は大幅反落となった。
月末のポジション調整の影響で、昨年9月以降、毎月最終日の日経平均は前日比値下がりが続き、本日で11カ月連続となった。
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