10月29日(金)のマーケット
前日の米国株式市場でNYダウは反発。メルクとキャタピラーは決算発表で買われ、フォードは通期利益予想の上方修正と復配が好感された。一方、クラウド電話APIのトゥイリオは10~12月期の1株利益予想を赤字としたため急落。NYダウは前日比239ドル(0.68%)高の35,730ドル。ナスダックは上昇し、最高値を更新。電気自動車のテスラとルーシッドグループが買われた。フェイスブックは社名を「メタ」に変更すると発表し上昇。NASDAQ総合指数は前日比212ポイント(1.39%)高の15,448ポイント。S&P500指数は前日比44ポイント(0.98%)高の4,598となり、最高値を更新。
本日の東京市場は、前日終値近辺でもみ合いでのスタート。ナスダックは最高値を更新したが、取引終了後の決算発表でアマゾンは10~12月期の売上高見通しがアナリスト予想を下回り、アップルは供給制約で7~9月期の決算がアナリスト予想を下回ったことで時間外取引で売られ、日経平均は軟調展開。また、自民党の単独過半数(233議席)が微妙な情勢と報じられたことも警戒され、345円安の2万8,475円まで下げ幅を拡大。しかし、10時30分過ぎからは徐々に下げ幅を縮め、後場寄りには180円高まで買い戻され2万9,000円に到達。中国恒大集団が29日に最終的な期限とされるドル建て社債の利払いおよそ4,500万ドル、日本円で50億円余りを実施したと報じられたことや、商船三井が大幅増配を発表したことで海運株全体に波及し相場全体を底上げした。大引けの日経平均は72円高の2万8,892円。売買代金は3兆5,317億円。TOPIXは1ポイント高の2,001ポイント。
新興市場は共に反落。JASDAQでは綜研化学が通期予想の下方修正で急落。ワークマンは年初来安値。一方で、メタバースファッションのシーズメンは連日のストップ高。セプテーニは電通グループとの資本業務提携で高い。マザーズはメルカリが反落し、MacbeePが利食い売りに押された。対して、ロケット開発企業と資本提携のINCは4日連続ストップ高。シャノンはメタバース型バーチャルイベントサービス開始で急伸。
日足チャート上では、2万8,500円近辺に位置する75日移動平均線がサポートとなり、長い下ヒゲを伴い25日移動平均線はクリアして週末を迎えた。週足では陽線となり、一目均衡表の雲の上限で踏み止まった。13週・26週移動平均線の上方に位置しており、来週以降大イベント通過で上放れとなるか注目される。TOPIXは節目の2000ポイントをキープ。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。いよいよ今度の日曜日は衆院選の投票日です。4年ぶりのことです。先週からマーケットは神経質な動きを続いていましたが、ひとまず決着がつきます。これまでになく各党の選挙公約を食い入るように読み込んだ2週間でした。
アベノミクスの9年間が問われる衆院選に臨んで、その選挙期間中に静岡県の参院補欠選で与党推薦候補が敗れたり、「アベノマスク」8000万枚超が倉庫に眠っている問題が浮上したりして、これで自民党は大丈夫なのだろうか、とずいぶん心配させられました。
選挙は水ものです。実際に投開票が終わるまで断定的なことは述べられません。それでも報道各社の事前調査によれば、どうやら与党の安定多数は確保されそうな情勢です。おかげで週末が近づくにつれて株式市場は少しずつ安定感を増してきました。
米国と同様、日本でも今週から3月決算企業を中心に決算シーズンが始まっています。公表された決算資料を読む限りでは、企業経営者が直面する問題のむずかしさがひしひしと伝わってきます。
業績相場では、業績のよい銘柄がますます好まれる相場です。一時的に下落した銘柄でもすぐに落ち着きを取り戻して再び上昇軌道に戻ってくるものです。ここは衆院選後に訪れる相場の「あく抜け」をにらんで、地道に好業績銘柄を選び出す好機ととらえるべきでしょう。金利水準は安定しているため、転機は意外なほど近いように感じられます。
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注目記事 Pick up
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【どうなる!?「総選挙後の相場」】
日本証券新聞11月1日(月)紙面1面TOP記事掲載
“ハロウィン効果”発揮なるか 焦点は自民議席、外国人評価…
4年ぶりの衆院総選挙を目前に控えた10月29日の日経平均は朝方345.03円安の後、急速に引き戻して、結局72.60円高。「自民、単独過半数の攻防」との最終盤情勢が伝えられるが、接戦区も多く、何といっても選挙は水物。失言1つで流れは変わる。全般に手控え気分強まるなか、先物主導の空中戦が展開された格好か。ともあれ、解散前日終値を752.41円上回り、例の“鉄板アノマリー”「解散→投票日」は1969年以降の連勝数を「17」に伸ばした。ただし、「投票日翌日の日経平均」となると、90年以降3勝7敗と振るわない。選挙後の相場はどのように展開していくのか。
確定まで長い時間を要する米国などと違って、すんなり決着が付くのが日本の選挙だ。「大勢が判明するのは11月1日の午前0時から3時ごろ」「最終的に議席が確定するのは午前5時50分以降の予定」(ドイツ証券)。いずれにせよ週明けの市場はすべて判明した状態でスタートを切る。投票日は「全国的に晴天ないし曇りとなる見通しで『投票日和』に、投票率上昇か」(SMBC日興証券)とされており、浮動票の増加は与野党どちらに味方するのか。
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今日の市況概況
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10月29日(金)☆[概況/大引け]
後場の上げ幅は限定的。海運が買われ、富士電機が大幅高。アドバンテストとZOZOは安い
大引けの日経平均は72円高の2万8,892円、TOPIXは1ポイント高の2,001ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,026、値下がり銘柄数は1,052。出来高は15億6,498万株、売買代金は3兆5,317億円。
衆院選で自民党の単独過半数は微妙と報じられため、日経平均は序盤に345円安の2万8,475円と下落したが、中国恒大集団が29日に最終期限のドル建て社債の利払いを行ったと報じられたことを受けて、持ち直した。
後場寄りに180円高の2万9,000円まで上昇したが、その後は衆院選を控え、上げ幅を縮めた。
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