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コラム2021年12月10日

【本日のマーケット】12月10日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月10日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で NYダウはもみ合い後、保ち合いで取引終了。英国政府が「オミクロン型」の感染拡大を受け、イングランドで行動規制を強化すると発表したことを受けて、NYダウは下落して始まったが、週間の新規失業保険申請件数は前週比4万3千件減の18万4千件となり、1969年9月以来52年超ぶりの低水準となったため、押し目買いが入った。だが、10日に発表される11月の消費者物価指数の発表を控え、様子見姿勢となった。 NYダウは前日比0.067ドル(0.00%)安の35,754ドル。ナスダックは反落。電気自動車のテスラとルーシッド、半導体関連のエヌビディアとAMDが売られ、暗号通貨関連のコインベースも安い。NASDAQ総合指数は前日比269ポイント(1.71%)安の15,517ポイント。S&P500指数は前日比33ポイント(0.72%)安の4,667。

本日の東京市場は、続落でのスタート。注目されたSQは無難に通過となったが、今晩の米国で発表される11月の消費者物価でインフレ懸念が強まると、来週のFOMCが警戒されるという見方から軟調推移。また、与党税制改正大綱が金融所得課税の強化について、「課税のあり方について検討する必要がある」と明記したことも不安視された。また、中国株と香港株が下落したことも嫌気され、14時過ぎから下げ幅を拡大。大引けの日経平均は287円安の2万8,437円。売買代金は2兆6,680億円。TOPIXは15ポイント安の1,975ポイント。

新興市場も続落。JASDAQではシーズメンや3Dマトリックスが安い。対して、ANAPはメタバース領域に事業参入でストップ高。12月末に1対5の株式分割を実施するアミタは4日連続ストップ高。。マザーズではアスタリスクやメルカリが売られ、INCは通期赤字予想に下方修正しストップ安。一方、ビジョナルは大幅上方修正でストップ高となり、Birdmanは「さわれるライブ5D LIVE」でストップ高。

日足チャート上では、200日移動平均線に跳ね返されて、5日移動平均線(2万8,481円)も割り込んだ。昨日には11月25日以来のパラボリック陽転となっていただけに残念。週足では、26週・52週線移動平均線近辺まで戻りを見せるも、押し戻されて上ヒゲを引いた。陽線となったが、一目均衡表の雲抜け(2万8,567円)はわずかに達成できず。TOPIXの日足のチャートは12月8日(水)に2,000ポイント回復を達成したが、25日移動平均線に頭を抑えられた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週は良いニュースと悪いニュースが日ごとに交錯した1週間でした。

良いニュースとしては、週の初めに米国のファウチ首席医療顧問より、オミクロン株は重症化のリスクが低いとの発言が飛び出したことです。世界のあらゆる国と医療機関で、変異種の強毒性に関するデータが整うことを待ちわびているところへこのニュースです。

これによって週前半は世界中の株式市場が一斉に大幅高となりました。人類と感染症との闘いの過程で、これ以上の要人発言はないと言ってもよいほどです。

景気動向に関しては、米国の雇用統計では失業率は4.2%、非農業雇用者数は21万人の増加でまずまずの内容となりました。中国政府が取っていた景気に対するブレーキは少し弱められた模様で、預金準備率を引き下げる動きに出たことは世界経済には朗報です。

悪いニュースの代表は外交面です。北京オリンピックの開催まであと2か月に迫った時点で、米国が外交的ボイコットを決定しました。同盟国に対して同様の措置を取るように要請はしていないものの、さっそく英国、カナダ、オーストラリアが追随しました。日本はまだ正式に態度を表明しておりませんが、それだけに政治的なリスクが心配されます。

その中でひとつの朗報は、企業から発表される業績の好調さです。代表的な事例がミライアル(4238)です。1月決算のミライアルが発表した第3四半期(2月~10月)の決算は、売上高が82.8億円(前年比+12..8%)、営業利益は12.3億円(+106.2%)となりました。営業利益率も一段と高まっています。

オミクロンショックがあろうとも業績相場の流れは途切れずに継続しています。今後も好決算銘柄の上値を買い上がる業績相場は続くと見るべきでしょう。

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【再び人気「親子上場子会社」】
日本証券新聞12月13日(月)紙面1面TOP記事掲載 

10日の高値銘柄にヒント みずほ証券“21銘柄リスト”が話題

信越ポリマー(7970・日足)

メジャーSQ(特別清算指数)算出日は通過したものの、引け後に米消費者物価指数、翌週に日米金融会合を控えた週末の様子見気分から、10日の日経平均は続落歩調。東証1部年初来高値銘柄数も30にとどまったが(9日は45銘柄)、このなかで注目してみたいのが信越ポリマー(7970)日水製薬(4550)だ。この2銘柄に共通するのは、むろん親子上場子会社である点だ。

10日高値銘柄には、(親子上場とまでは言えないが)旭化成が29.4%保有する旭有機材(4216)も含まれる。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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12月10日(金)☆[概況/大引け] 

米消費者物価発表前と日本の金融所得課税強化を警戒。レーザーテックやリクルート、HISが売られ、日水製薬は高い

大引けの日経平均は287円安の2万8,437円、TOPIXは15ポイント安の1,975ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は481、値下がり銘柄数は1,607。出来高は11億1,409万株、売買代金は2兆6,680億円。
今晩の米国で11月の消費者物価指数が発表されるが、インフレが加速していると利上げ前倒し観測が強まることや、日本の金融所得課税の強化が警戒された。

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