TOP  NSJアップデート  インタビュー  億り人Zeppy井村俊哉が聞く!!<第5回―①> 「アクティブ元年・日本株ファンド」古賀直樹氏
インタビュー2022年1月20日

億り人Zeppy井村俊哉が聞く!!<第5回―①> 「アクティブ元年・日本株ファンド」古賀直樹氏

個人投資家で“億り人”の井村俊哉氏が企業トップに斬り込む本企画。今回は、スゴ腕の投資家たちがひそかに注目するという「アクティブ元年・日本株ファンド」を運用する三井住友DSアセットマネジメント運用部の古賀直樹シニアファンドマネージャーに運用方針などを聞いた。

井村 月次レポートを毎回、食い入るように読ませていただいています。いろんなファンドのものを見ているんですけれども、「アクティブ元年・日本株ファンド」に目がとまったのは2020年の夏ごろ、ホームセンター株バブルが到来したとき、ウィズコロナでDIY製品がメチャ売れているみたいな。その直前にアレンザホールディングス(3546)を組み入れ銘柄上位に入れていましたよね? その後スゴイ決算が出て株価がストップ高になり、こんな先回りに長けるアクティブファンドがあるのか!! と。

古賀 ありがとうございます。

井村 そんなファンドの運用方針などを聞きたいのですが、その前に、直近の状況を。今日(取材日)は1月6日、マザーズ指数が2営業日連続で5%近く下がっているという状況、組み入れ銘柄の性質を見ると中小型が中心なのでパフォーマンス的に結構キツイのかなと思われますが、方針を変更したり何か手当てしたりとか、していますか?

古賀 かなり厳しい状況ではあります。ただし需給の問題であり、企業の価値自体に何か変化が起きているわけではない。しっかりと腰を据えながら、とはいえパフォーマンスは悪くなっているので何かしらやりながらっていう感じですね。

井村 個人投資家だとポジション縮小をやる、株式の保有を半分にしてリスク軽減をはかる、というのと、もう一つは、いま資金の循環でグロース(成長)株からバリュー(割安)株へという流れがあるので、船とか鉄とかエネルギー株を買ったりして機動的に入れ替えちゃおう、みたいな。大きく2つの対応がありますが、ファンドだとポジション縮小はむずかしいので後者、銘柄で手当てする、になるかと思うのですが?

古賀 ウエートを変えながら、ですね。グロースだバリューだとか何か明確に方向性を固めて、ではなくて、あくまで個別銘柄の選別であり、それが寄せ集まったポートフォリオで運用するというのが私たちのスタイル。

井村 確かに、組み入れ上位銘柄を見させていただくと「一貫性がない」(笑)。よく言うとパフォーマンスを追求していらっしゃることが伝わってくる。直近だと、いわゆるバリュー株を入れながらハイグロースも入れちゃうみたいなことを多分やられていましたが、これまでパフォーマンスを引っ張ってきたハイグロース株がパタッと半値になるみたいなことが今、起きています。

古賀 株価はもちろん見ます。ただし前提には「企業の価値」があって、それに対して株価が割高か割安かというところと、今の相場に合っているか否かというところを判断しながら運用をしています。投資成果とは、買った時から売るときまでの株価の変化ではなくて、「今から将来に渡っての変化がどうなのか」。その変化を、今この時点でどう判断するか。株価だけでなく、企業の状況そのものも変化する中で、必要であれば銘柄の入れ替えもしますし投資ウエートを変えたりもします。

井村 いわゆる投資ユニバース、銘柄数はどれくらい?

古賀 すべて、です。約3,900の上場全銘柄に投資可能という仕組みになっていて、その中から取材を重ねていく。つまり、いま保有していない銘柄も「投資しません、見ません」ではない。私を含めて4人のチームで運用していて、各自が数百銘柄のアイディアを持っています。

井村 この環境で「これどう?」みたいなことをみんなでやり合う、200とか300銘柄を持ち寄って、じゃあ今は100にしておこう、みたいな。

古賀 100銘柄と最初から決めているわけではなくて、今の環境に合う銘柄を選んだ結果として100入ってるね、と。市場や企業の状況、需給によっては50に絞ったり、逆に200に広がる可能性もあります。

井村 めちゃくちゃ柔軟ですね!

古賀 株式投資って企業に投資するので、何か先にルールを決めてガチガチに縛られるよりも、しっかりとαが取れるものをちゃんと入れていくべき。

井村 素晴らしい! いや、基本的に大企業のアクティブファンドってルールに縛られるためにやるみたいな限界構造になっているようなことが往々にしてありますから…

古賀 パフォーマンスを追いかけるという部分に関しては、そこは愚直にできる限りのことはやれるような仕組みにしてあります。

井村 有言実行しているからこそ、自分みたいにポートフォリオを数カ月にわたって観察する人間がいるんでしょうね。

(続きは1月28日付に掲載いたします)

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