BeeX(4270)が2月24日、マザーズに新規上場する。
企業の基幹システムの基盤環境をオンプレミス(企業が情報システムを自社で保有し、自社の設備において自社運用する形態)からクラウドへ移行するサービスや、クラウド環境移行後の保守・運用サービスを提供するクラウドソリューション事業を展開。中でも、SAPシステムのクラウド移行・環境構築、移行後の運用に特化している。
SAPシステムとは、独SAP社が開発したERP(統合基幹業務システム)製品の1つ。多くの企業にとって問題となっているのが2027年の「SAP ERP6・0」の保守終了だが、同社では単純なパッケージ更新作業ではなく、基幹システムをパブリッククラウド上で最適な状態で利用するためのコンサルティング、システム更改サービスを提供している。
クラウドソリューション事業では、クラウドインテグレーション、MSP(マネージドサービスプロバイダ)、クラウドライセンスリセールの3つのサービスを展開。このうちクラウドインテグレーションは、顧客企業の検収時に計上される一過性の売り上げが主であることから、フロービジネスに位置付けられる。
一方、サーバーの監視・バックアップなどの運用代行や保守に関するサービスであるMSP、企業のパブリッククラウドや、セキュリティソフトウエアのライセンスを販売し月額課金を代行するクラウドライセンスリセールは、ストック売り上げに分類される。導入企業の開拓でフロー売り上げを拡大させるとともに継続利用企業を蓄積することで、ストック売り上げの拡大による安定収益化を図っていく。
コロナ禍はリモートワークを侵透させ、各企業におけるクラウド化への考えが高まる契機となった。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する取り組みは今後より活発になるものとみられる。こうした環境も踏まえ、中長期では顧客企業のDXを実現するプラットフォーム構築、デバイスからクラウドまでのトータルセキュリティの拡大、中小企業のクラウド化支援パートナー(ローカルパートナー)施策などに取り組んでいく。
なお、同社はテラスカイ(3915)の連結子会社。TIS(3626)、NTTデータ(9613)とは、大型案件の獲得を目的に2018年から資本業務提携を開始している。(SS)
概要
●事業内容=企業の基幹システムの基盤環境をオンプレミスからクラウドへ移行するサービス、クラウドアプリケーション開発、クラウド環境移行後の保守・運用サービス
●本社=東京都中央区銀座7-14-13
●代表者=広木太代表取締役社長
●設立=2016年3月
●上場前資本金=1億971万円
●発行済み株式数=217万7,400株(上場時)
●筆頭株主=テラスカイ(上場前66.21%)
●公募株式数=24万株
●売出株式数=7万5,000株(ほかにオーバーアロットメントで4万7,200株)
●仮条件=2月3日に決定
●ブックビル期間=2月7日から14日まで
●引受証券=大和(主幹事)、アイザワ、岡三、東洋、SBI、楽天
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2020.2 | 2,841 | 129 | 45.61 | ― |
2021.2 | 4,060 | 329 | 127.38 | ― |
2022.2(予) | 4,239 | 184 | 64.75 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |