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コラム2022年2月10日

【本日のマーケット】2月10日(木)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

2月10日(木)のマーケット                                                                   

2月9日の米国株式市場は続伸。ニューヨーク州やイリノイ州のマスク着用義務解除の動きと、アトランタ地区連銀の総裁が、インフレ率が低下する時期が近づいている可能性があると述べたことが好感された。NY証券取引所ではレジャー関連のディズニーが買われ、長期金利低下でハイテク株も物色され、写真・動画共有アプリのスナップや決済ソフトウエアのブロックが上昇した。NYダウは前日比305ドル(0.86%)高の35,768ドル。ナスダックではメタプラットフォームズやエヌビディアが高く、ソーラー産業用のマイクロインバータ技術のエンフェーズ・エナジーは決算が好感された。NASDAQ総合指数は前日比295ポイント(2.08%)高の14,490ポイント。S&P500指数は前日比65ポイント(1.45%)高の4,587。

本日の東京市場は、米国市場の上昇を受けてギャップアップで3日続伸のスタート。ナイトセッションでの先物の終値にサヤ寄せする形で、寄付きから2万7,800円台乗せとなり、一気に25日移動平均線(2万7,625円)を上抜いた。その後、300円高の2万7,880円まで買われるも、今晩の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見姿勢が強まった。インフレ率が加速しているとFRBの利上げペースが早まると警戒され、徐々に上値が重くなった。米SOX指数が3%超の上昇となっていたことから半導体関連が物色され、東京エレクトロンが上昇。SUMCOやルネサスエレクトロニクスが好決算で買われた。東京市場は明日から3連休となることで手控えムードも重なり、後場は狭いレンジでの値動きに終始。大引けの日経平均は116円高の2万7,696円。売買代金は3兆4,508億円。TOPIXは10ポイント高の1,962ポイント。

新興市場も共に続伸。JASDAQではフェローテックやハーモニックが買われ、BBSecは好決算で急伸。対して、アミタは続落となり、シダックスは10~12月期の売上高の伸び率鈍化で急落した。マザーズではサイエンスアーツとアスカネットが大幅高。直近新規公開株とライトワークスも値を飛ばした。プレイドは三菱UFJモルガンが下げ過ぎを指摘したため見直し買いが入った。一方でFRONTEOは反落し、BASEが安い。

日足チャート上では高寄りで陰線となるも、終値では1月12日以来、1ヵ月ぶりに25日移動平均線(2万7,625円)を上抜いての大引けとなった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。決算発表シーズンが佳境を迎え、企業サイドにも変化が感じられるようになってきました。

先の見通しにくい不確実な現状に向かって、企業が志向する会社の方向性が形となって現れつつあるようです。それには決算発表という機会は恰好のステップとなります。

特にこの季節の決算発表は、3月決算期を採用する企業の第3四半期の決算が数の上では中心となりますが、それにも増して重要なのは、昨年暮れに年度末を迎えた12月決算の企業です。

12月決算企業は前年の1年間の決算を終えて、新たな年度のスタートに立っています。新年度の決算見通しが明らかにされるとともに、ここで新しい経営方針、事業計画がきちんと発表されるケースが見られます。

中でも目を引くのがAGC(5201)の決算です。祖業であるガラス事業をコアに据えて、エレクトロニクス、モビリティ、バイオ事業という3つの戦略事業を育てています。前期は売上高が2兆6973億円(前年比+20.2%)、営業利益は2061億円(+172.1%)と大きく伸びました。

経営改革の真っただ中にあり、改革の方向性は間違っていないことが確信に至ったことから、AGCは今回の決算発表をきっかけに、中期計画の目標値を引き上げました。

これまで2025年の目標としていた「営業利益2000億円、ROE9%」という中期的な目標を、計画スタートの最初の1年目で超えたために、今回の決算を機に、2023年までの当初の目標だった「営業利益1600億円、ROE8%」という水準を、それぞれ「2300億円」と「10%」にあらためて設定し直したのです。

12月決算企業ばかりではありません。3か月にやってくる3月決算企業の中にもこのような企業がおそらく相当数、出てくることでしょう。そう期待してやみません。株式市場は雪どけと、そして春の訪れを待っているところのように見えます。

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注目記事 Pick up
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【株を買うなら「NISAの日」!?】
日本証券新聞2月14日(月)紙面1面TOP記事掲載 

例年の底入れ傾向の背景と人気ランキングは…

米国株高を支えに10日の日経平均は朝方300.83円高まで買われたものの、引け後に米国CPI(消費者物価指数)発表、そして3連休を控え、買い一巡後は様子見気分の強い展開に転じた。2000年以降で、S&P500のパフォーマンス悪化が目立つのが1、2月(と9月)。昨今の金融情勢を踏まえれば、休み中の波乱再燃への不安がよぎるのも無理のないところ。もっとも、季節性から言えば、買いの好機を迎えているとみることもできる。3連休最終日に「NISAの日」を迎えるためだ。

少額投資非課税制度のNISA(ニーサ)と2月13日をかけたダジャレなのだが、同じくダジャレの10月4日「投資(とう・し)の日」と並んで、不思議と相場底入れ期と合致する例が多い。

コロナ禍のこの2年は不発に終わったものの、08~19年の「NISAの日(休場年は直前営業日)から4月末までの日経平均」は12年間で9勝3敗。平均861.29円高となった経緯がある。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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2月10日(木)☆[概況/大引け] 

3連休と米消費者物価の発表を控え、上値は限られたが、ソニーGやルネサス、ホンダが買われ、鹿島は自社株買い発表を好感

大引けの日経平均は116円高の2万7,696円、TOPIXは10ポイント高の1,962ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,447、値下がり銘柄数は636。出来高は13億9,624万株、売買代金は3兆4,508億円。
日経平均は3日続伸だが、3連休と米国1月消費者物価の発表を控え、上値が抑制された。

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