4月1日(金)のマーケット
3月31日の米国では、2月の個人消費支出で、FRBが物価の目安とする「変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーター」は、前年同月比5.4%上昇し、1月の5.2%上昇から加速した。高インフレが警戒され、米国株は下落して始まり、月末と四半期末のポジション調整により、終盤さらに下げ幅を拡大した。NYダウは前日比550ドル(1.56%)安の34,678ドル。ナスダックではAMDやインテルが売られた。NASDAQ総合指数は前日比221ポイント(1.54%)安の14,220ポイント。S&P500指数は前日比72ポイント(1.57%)安の4,530。
本日の東京市場は、米株安を受けて安寄りした後は徐々に下げ幅を縮める展開となった。一時421円安となったが、買戻しや押し目買いが入り底堅く推移。今夜の米雇用統計を控え様子見姿勢も強まった。東芝が米投資ファンドのベインキャピタルが買収を検討していると報じられ大幅反発。任天堂も買われた。ニトリは決算発表を受けて売られたが、売り一巡後に反発となった。東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体製造装置は下落。大引けの日経平均は155円安の2万7,665円と3日続落。売買代金は2兆8,935億円。TOPIXは2ポイント安の1,944ポイント。
新興市場は堅調維持。本日最終日となるJASDAQ平均は小幅反落。第一商品は大幅続伸。トレードワークスが買われ、ShinwaWは大幅反発。対して出前館、ウエストHDは売られた。市場再編後も継続して算出されるマザーズ指数は4日続伸。TrueDataがストップ高まで買われ、HENNGEもストップ高。直近IPOのギックスは連日の急伸。一方でJTOWERは反落。グローバルウェイは続落。エッジテクノロジーは大幅反落となった。
日足チャート上では、200日移動平均線に頭を抑えられ調整局面。ここを超えられるかがポイント。75日移動平均線がサポートとなった形。一目均衡表の雲の上限で踏み止まっている。週足では26週移動平均線を上抜けることができず3週間ぶりの陰線となった。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。企業の動きが活発です。今週は2月、5月、8月決算企業の決算発表が活発化しています。特に注目されるのは、企業から明らかにされる中期経営計画です。
3か月先のこと、半年先のことは今は非常に把握しにくくなっています。しかし逆に3年先、5年先のことはむしろ見通しが立てやすくなっています。デジタル化の波は今以上に進行しているでしょう。人口の減少もますます加速しているはずです。そうとう先の展望を打ち出すことの方が苦ではないように思います。
たとえば南海電鉄が明らかにした新しい中期経営計画「共創140計画」では、2022年度から2024年度の3か年を対象として、新たに「2050年の企業像」を具体的に打ち出しました。最終年度の2024年度には、営業利益で280億円、投資総額で1600億円、二酸化炭素の排出量を2013年度比で▲32%を目指します。
企業はしたたかに新しい市場、新しい動きを探っています。不透明要素に周囲を取り囲まれている状況ほど、投資家にとってむしろ望ましい環境と言えるのではないでしょうか。リリースされた資料をじっくりと掘り下げていってみたいものです。
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注目記事 Pick up
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【4月4日スタート 東証市場再編の実態と近未来像 市場改革は“骨抜き”に非ず】
日本証券新聞4月4日(月)紙面1面TOP記事掲載
日本取引所グループ 清田瞭取締役兼代表執行役、グル―プCEOに聞く
市場第2部開設から60年余。「戦後最大の改革」として話題の東証市場再編が4日、いよいよ実現の運びとなる。とはいうものの…。一方で海外投資家などの冷ややかな反応も伝えられている。旧市場第1部企業に当面のプライム市場上場を認めた経過措置などで、改革が“骨抜き”にされたと受け止められたためだ。はたして真相はどこにあるのか。そして新市場の行方は。日本取引所グループの清田瞭取締役兼代表執行役グループCEO(最高経営責任者)=写真=に話を聞いた。
――そもそも今回の市場再編の出発点は何か。
「2013年1月の東証・大証経営統合が発端だ。それぞれの市場第1部、市場第2部を統合する一方、同じ新興市場でも『東証1部へのステップアップ市場』と位置付けるマザーズと、米国のNASDAQをモデルにした独立路線のJASDAQでは性格が異なるため、そのまま残した。もともとマザーズを創設したのは、ベンチャー育成に加えて、JASDAQとの新規上場企業誘致を巡る競争という動機もあった。しかし、いざ一緒になってみると重複もあり分かりにくくなっている。市場第1部にしても、時価総額が何十兆円もあるトヨタ自動車から、上場基準ぎりぎりの企業まで様々な企業が上場しており、コンセプトが見えづらくなっている。市場全体を整理する必要が生じた」
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今日の市況概況
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4月1日(金)☆[概況/大引け]
下げ幅縮小だが3日続落。米株先物は堅調推移
大引けの日経平均は155円安の2万7,665円、TOPIXは2ポイント安の1,944ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,081、値下がり銘柄数は1,002。出来高は11億9,029万株、売買代金は2兆8,935億円。
米国株続落を受けて、日経平均は3日続落となったが、時間外の米株価指数先物が堅調に推移したことや、ロシア軍がチェルノブイリ原発と周辺施設から撤退したことなどが好感され、売り一巡後は下げ幅を縮めた。WTI原油が100ドル割れとなったことも安心感を誘った。
だが、今晩の米国で3月の雇用統計とISM製造業景況指数の発表を控えているため、戻りは限定的。
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