事業拡大へ攻勢緩めず
NEW ART HOLDINGS(7638・S)は1994年に日本初のブライダルジュエリー専門店「銀座ダイヤモンドシライシ」を開業、以来、事業多角化を図りつつ着実に成長を続けている。
企業価値向上のための布石は着々と打たれている。3月中旬に会社ホームページにて「思いもかけないような事業に参入する」と明かしていたが、その後、30日付大量保有報告書でITbookホールディングス(1447・G)株式の保有割合が6.72%から10.92%に上昇したことが判明した。代表取締役会長兼社長の白石幸生氏に話を聞いた。
感謝の気持ちを配当に
まずは2022年3月期の期末配当について、期初に予想していた70円から、株主の皆様への感謝の気持ちとして感謝特別配当5円を加えた75円(前期は50円)としたことをあらためてお伝えしたい。
最近はIR(投資家向け広報)活動を通じて安定株主の方が増えてきた実感もあり、責任を感じると同時にまだまだ頑張らなければならないと思うようになった。
ITbookは将来有望
今回、株式を取得したITbookはIT分野のコンサルティング業務や人材派遣に非常に強い。特に官公庁向けで高い実績を有し、過去にはマイナンバー制度対応で短期間のうちに業績・株価とも急成長を遂げた。
このとき同社の代表取締役会長兼CEOを務めていた恩田氏は、2006年頃に旧JASDAQの株式会社シーマ(現:ブライダルジュエリー事業)の代表取締役兼CEOとして企業再建に尽力した人物でもある。
また、法改正に伴う地盤調査の義務化により、近年は地盤調査・改良事業も伸びてきた。どちらも将来性があり、世の中になくてはならない未来志向の将来性のある重要な仕事。
両方で経常利益100億円をだせるようになれば、時価総額1,000億円も視界に入ってくるだろう。
今回株式を取得するにあたっては、とにかくITbookを良い会社にして、経営統合していきたいというはっきりした明確な意思を持って取り掛かろうということになっている。
旧軽井沢に“蓬莱郷”を
当社は軽井沢で軽井沢ニューアートミュージアムの運営を行っている。その隣には老舗ウエディングホテルがあったが、コロナ禍で結婚式が低迷し、銀行に引導を渡されそうになっていたところを当社グループに経営統合した。
現在はPlan Do See(プラン・ドゥ・シー)が企画立案、隈研吾設計事務所が設計を手掛ける高級ホテルの計画が進行中。プラン・ドゥ・シーはレストランやホテルのプロデューサーだが野田社長は感性が天才的で、どちらかと言えばアーティストに近い。
さらに高級レジデンスを計画しており、これらがすべて完成すれば、旧軽井沢に美術館、高級ウェディング、高級ホテル、高級レジデンスが集う1万平米規模の現代の“蓬莱郷”が誕生する。
これまで軽井沢では星野リゾートが活躍していたが、ここにカトープレジャーグループ、そしてプラン・ドゥ・シーが加わることになる。今後、3人の“おもてなしの天才”が軽井沢でどう腕を振るうのか、見どころとなりそうだ。