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インタビュー2022年4月26日

トップインタビュー ディ・アイ・システム 長田光博代表取締役会長に聞く 近い将来、売上高100億円、営業利益10億円企業に

配当性向の引き上げも今後検討

ディ・アイ・システム(4421・S)は通信や金融、官公庁向けシステム開発・運用を行う中堅システムインテグレーター(SI)。中堅SIでは珍しく、ソフトウエア開発、ネットワーク構築、システム運用・保守を一気通貫で手掛け、早期のトラブルシューティングが可能であることから顧客企業から重宝されている。創業者の長田光博代表取締役会長(写真)に今後の成長戦略、中期的な目標などを聞いた。

――今2022年9月期は過去最高売上高を連続更新、4期ぶり過去最高経常利益の更新を計画している。

「ローコード開発ツール『楽々FrameWork』を利用したソフトウエア開発を中心に引き合いは多い。世界的な半導体不足によるハードウエアの納期遅れが不安要素ではあるが、順調に推移している」

――一般企業からITエンジニアに育てたい人を受け入れ、研修を行う教育サービス事業も20年近い実績がある。

「ITエンジニアの不足感が強まる中、非常に盛況。同事業が売上高に占める割合は低いが、メリットは大きい。当然のことながら当社に入社した人材の教育カリキュラムは整い、研修内容が“見える化”されている。大学や専門学校の先生も学生に勧めやすく、学生さんも将来をイメージできることから、人材採用に大きくプラスに働いている。この4月は新卒で61人が入社し、従業員数は685人になった。当社と同規模のIT企業で60人超を採用できた会社はそうはない。来年は新卒で80人を採用する予定」

「もっともIT業界は人材の流動性が非常に高く、残念なことに当社でも従業員数の1割程度が辞めてしまう。ただ、教育サービス事業の存在は中途採用でもプラスに働き、離職人数と同程度を中途採用できている。このため『新卒社員数=従業員数の純増数』という体質になっている」

――今後の成長性。

「既存顧客からの継続的な受注に加え、上場による信用力向上で新規顧客も増加し、当社のホームページ経由で大手企業から依頼いただくことも増えてきた。業績はこれまで一定の上昇カーブを描いてきたが、今後は上昇角度をより高めていきたい。従業員数のほか、ビジネスパートナーと呼ぶ外部の協力会社も増えてきており、従業員数1,000人、ビジネスパートナー500人計1,500人規模のエンジニアを動かす売上高100億円以上、営業利益10億円以上の企業体はそれほど遠くない未来に実現できよう」

――2大代表制を敷いている。

「上場によりIR(投資家向け広報)関連の仕事も増えてきた。このため受注獲得や経営戦略の策定・実行など事業系は代表取締役社長の富田健太郎が牽引し、私はIR中心と役割を分けている。なぜそうしているのかといえば、徐々に世代交代をしていきたいから。富田は当社設立4年後の01年に入社し、19年12月に社長に就任した。昔から同族企業にするつもりはなかった。それはダイナミズムを作っていきたいから。『自分も頑張れば部長になれる、取締役になれる』という風土にしていきたい」

――社名はデジタル・インフォメーション・システムの略と思われがちだが、ディは『Dream(夢)』 、アイは『infinite(無限)』の頭文字。

「キング牧師の『I Have a Dream』という演説に感銘を受け、夢を実現できる組織を志向。ドリームワークスという社名を考えたらスピルバーグが先に作っており、『無限の夢を創造する』という想いを込めて名付けた」

――長田会長の夢。

「やはり、『入社してよかった』と思ってくれる社員が大勢いる会社、かつ、大手SI企業などと比べても遜色ないハイレベルの仕事をし、『すごい技術を持っている会社』と言ってもらえるような会社になることが夢」

――株主、投資家へのメッセージ。

「配当性向(現状23.6%)の引き上げを検討し、株式流動性も高めていきたい。先行投資を行いながら中長期的に成長を続けるとともに、計画達成を積み重ねることで先行き業績への信頼感を高め、IRも工夫しご理解いただけるように努めて株価の最大化を図りたい」(Q)