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銘柄・相場情報2022年5月12日

企業研究 ハートコア (HTCR・米NASDAQ)

CMS国内圧倒的トップから「世界」へ飛躍

「GAFA」と呼ばれるGoogle 、Apple、Facebook、Amazonが上場する米NASDAQ。ここに今年2月、日本企業が新たに加わった。ハートコア(HTCR)はどんな会社で、なぜNASDAQを選んだのか。先ごろ行われた神野純孝代表取締役社長による講演会からポイントを抜粋して紹介する。

事業内容:CMSは国内で圧倒的
主力事業はCMS、主にホームページを管理するコンテンツ・マネジメント・システムという製品を手掛けている。当社の「HeartCore CMS」は、①セキュリティーを非常に気にされる方、あるいは、②ウェブサイトのページ数が100万超などと担当者自身でも全容がつかめない大量のコンテンツを管理する方、つまり、大企業に最適な商品という位置付けだ。

これまでハッキングされたことが一度もないという安心感もあり、日本国内の政府系機関や銀行などを中心に現在は819社に当社商品をお使いいただいている。ざっくり言うと「日本の大企業は“ほぼ”お客さま」。社名は出せないが、例えば、関東系の鉄道会社は「地下に潜っていらっしゃる会社さん以外」、空を飛んでいらっしゃる会社さまも自動車を作っている会社さまも大体は当社のお客さま。

市場環境:18%成長、さらに加速
CMSの市場規模は6,500億~7,000億円ほど。これが年間18%程度ずつ成長を続けている。2009年の創業時には国内に50社ほどいた競合はほとんど消えて、現在はPDFというツールで知られるAdobe(アドビ)などグローバル企業と領域を共にしている。

当社にはもう一つの事業、業務を可視化して課題を解決する「プロセスマイニング」などDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の商品もあり、こちらの技術は日本のみならず世界中の会社の「働き方改革」に使われている。結果、昨年はIBMやマイクロソフトといったシステムインテグレーターの世界的な大手企業がこぞってこのプロセスマイニング関連企業を買収するといった動きが多数発生した。ちなみに当社は日本で初めてプロセスマイニングを紹介した会社として、19年4月の取り扱い以降、大きく業績を伸ばしている領域でもある。

よくある質問:なぜNASDAQ?
NASDAQは世界中の人が見てくれている。知名度が圧倒的。以前はアメリカで商品を売ろうとしても「当社は日本の会社で、こういう商品を」といった説明が30分ほど必要だったが、今はひとこと「NASDAQに上場している」だけ。これでようやく世界のAdobeと互角に戦える準備が整った。

資金調達の額も頻度もまったく違う。日本語でIPOは「株式新規上場」と訳されるが、正確にはInitial、“最初の”パブリック・オファリングでしかなく、米国ではセカンド、サードと、IPO後に資金が足りないと思ったら都度、調達するのが当たり前。「時間を金で買う」が米国流の成長なのだ。

そして当社もNASDAQ上場企業として企業買収を盛んに行うことでスケールしていく。ちなみにAdobeはこれまで100社ほど、GoogleもAmazonも、ありとあらゆる企業を買収することで規模を拡大してきた。

IPOコンサル、唯一無二の存在感
NASDAQという道があることを日本のベンチャーの方々に伝えて、IPOをサポートする事業を開始した。長らく日本企業は術を知らずに叶えられなかったが、準備期間たったの半年で実践した私のノウハウを共有する。既に2社、9月と10月に上場予定の案件が固まっている。手数料は5,000万円、かつ、上場時には3%の株を受け取るという契約。それでも企業側は既存コンサル会社を使うよりも安く早く確実にIPOできる。おそらく来期は10社から20社ほどカタチにできるだろう。グローバル展開を加速したい、大幅な資金調達をしたい、とにかく早く上場したいといった企業をどんどん支援する。