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IPO2022年5月18日

新規上場紹介 ANYCOLOR(エニーカラー) 6月8日 グロース VTuberグループ「にじさんじ」運営

ANYCOLOR(5032)が6月8日、グロースに新規上場する。

約150人以上の多種多様なVTuber(ブイチューバー)が所属(4月28日現在)するVTuberグループ「にじさんじ」を運営。VTuberとはVirtual YouTuberの略称で、ライバーと呼ばれる現実の人間をモーションキャプチャー技術を利用してバーチャルキャラクターに置き換えることで、従来のアニメキャラクターでは表現できなかった詳細な表情やしぐさを表現し、動画配信を行うことが可能になる。また、ユーザーはライブ配信のチャット機能を通じて、VTuberとコミュニケーションをとることができる。

事業分野は、YouTubeにおいて動画配信を行う「ライブストリーミング領域」を中心に、VTuberグッズなどのコンテンツ販売・イベントを行う「コマース領域」、同社所属VTuberに関するIP(知的財産)を用いて顧客企業の商品・サービスのプロモーションを行う「プロモーション領域」の3つ。また、新規ビジネス領域として海外VTuberビジネスを運営している。

ライブストリーミング領域における収益源は、YouTube広告による広告収益とファンによる課金、商品紹介動画作成で広告主より得られる収益の大きく3つ。ライバーに対しては動画配信活動のサポートや、自宅から配信可能な機材の貸し出し・配信スタジオの提供、誹謗中傷への対応などを行っており、各VTuberのYouTubeチャンネルから獲得された収益のうち一部を支払う。

コマース領域は主にコンテンツ販売とイベント企画・運営の2つのサービスで構成され、同社オリジナルのグッズやVTuberの音声を録音したデジタル商品を公式オンライン販売ウェブサイト「にじさんじオフィシャルストア」や同社主催のイベント会場で販売している。また、2020年10月にスタートした公式ファンクラブ「にじさんじ FAN CLUB」では、ファン同士やファンとVTuber間でのチャット機能などの有料サービスを提供。イベント開催に伴うチケット収入などもある。

プロモーション領域では同社所属VTuberに関するIPを顧客企業の商品やサービスに使用許諾を行うIPライセンスビジネスを展開。海外VTuberビジネスは英語圏および中国を中心に、国内VTuberと同様のビジネスを展開している。中国では動画配信プラットフォーム「bilibili」での配信活動のほか、合弁会社を通じて中国VTuberグループ「VirtuaReal Project」の運営に関与している。

足元では売上高が大きく増加するとともに、営業利益率も大幅に改善。これは所属VTuber数の増加よりもサポート体制の拡充を優先したことで配信動画の質が向上し、YouTube再生時間やファン数が増加したため。さらにコンテンツ販売収益が大きく伸長したほか、認知度向上により企業案件も増加している。なお、21年4月期売上高のうち約30%はTOP10のVTuber、約50%はTOP25のVTuberにより獲得された収益であり、会社側は「仮に特定のVTuberが引退することになったとしても収益基盤への影響は限定的」としている。(SS)

概要

●事業内容=VTuberグループ「にじさんじ」の運営
●本社=東京都港区赤坂9-7-2
●代表者=田角陸代表取締役CEO
●設立=2017年5月
●上場前資本金=1億412万円
●発行済み株式数=2,999万3,435株(上場時)
●筆頭株主=田角陸(上場前43.11%)
●公募株式数=5万株
●売出株式数=111万4,000株(ほかにオーバーアロットメントで17万4,600株)
●仮条件=5月23日に決定
●ブックビル期間=5月24日から30日まで
●引受証券=大和、三菱UFJモルガン・スタンレー(共同主幹事)、SBI、野村、松井、マネックス

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2020.4 3,478 420 1.39
2021.4 7,636 1451 30.97
2022.4(予) 13,259 3,753 83.40
※単位100万円、1株利益は円

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