5月27日（金）のマーケット                                                                   

5月26日の米国株式市場でNYダウは5日続伸。百貨店のメーシーズは通期の利益見通しを上方修正し、急伸した。中国の電子商取引運営会社アリババグループは1～3月期決算が、投資先の評価額減少で赤字だったが、売上高はアナリスト予想を上回ったために買われた。NYダウは前日比516ドル(1.61％)高の32,637ドル。ナスダックは続伸。エヌビディアは安寄り後、切り返した。半導体メーカーのブロードコムは、クラウドコンピューティングを手掛けるヴイエムウェアを買収することで上昇。ディスカウントストアのダラー・ツリーは価格を1ドルから1.25ドルへの値上げが完了し、通期予想を上方修正したことで急騰した。NASDAQ総合指数は前日比305ポイント(2.68％)高の11,740ポイント。S＆P500指数は前日比79ポイント(1.99％）高の4,057。

日経平均は４日ぶりに反発。プライム市場では、日本郵船は１対３の株式分割発表が歓迎され、川崎汽船は野村証券による格上げを好感。日本製鉄はさらなる値上げ要請で採算改善期待。来月10日に観光入国再開で資生堂やパンパシフィック、ＨＩＳなどインバウンド関連が買われた。政府の「骨太の方針」に防衛力の抜本強化が盛り込まれるため、三菱重工が物色された。一方、任天堂が売られ、食品と医薬品などのディフェンシブ株が安い。ＭｏｎｏｔａＲＯは調整継続。

スタンダード市場では、明治海運がストップ高となり、フェローテックは７日ぶりに反発。Ｍｉｐｏｘは半導体ウエハーの受託研磨加工サービスの新工場で買われた。東洋合成は３次元細胞培養プレート事業の育成で上昇。一方、ＭＩＴは利食い売りに押され、東映アニメが安い。

グロース市場では、ＦＲＯＮＴＥＯが続伸となり、クラスターテクノロジーは植物由来でエンプラの代替材はストップ高。エクストリームは角川ゲームスから独立した企業を子会社化することでストップ高。ステラファーマは開発中の新薬の開発計画を変更すると発表し大幅安。

日足チャートでは、5日移動平均線、25日移動平均線（2万6,686円）はキープしており、下値も固まってきた印象。底堅いものの、2万7000円の壁は厚く、膠着状態が伺える。週足では、13週移動平均線を超えて推移していたが、下ヒゲを伸ばし、再び割り込んでしまった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━　NSJ Market Forcus
★☆★　《特別寄稿》鈴木一之　スズカズ・アイ　★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━　　

鈴木一之です。ここに来て私たちの社会に大きな変化が現れています。世界に向けて閉じられていた日本の門戸が、ほんのわずかですが再び開けられようとしています。

日本政府は外国人観光客の受け入れを再開することを決めました。岸田首相自らが国際交流会議の演説の場で明らかにしました。６月10日（金）より、いよいよ外国人観光客の入国が認められることとなります。

当分の間は１日あたりの人数制限などが付されることになり、すぐにコロナ前の状態に戻るというわけにはいかないでしょう。しかしそれでもまずは一歩を踏み出すことから始まります。なかなか変化しない日本ですが、次のステージに向かい始める扉が音を立てて開き始めたことが実感されます。

九州地区や近畿圏などの観光地が、早くもかつてのようなインバウンド消費のお客さんでにぎわう様子が目に浮かびます。そんな日も近いと想像され、それだけで希望の光が差してくるような気がします。

新しい扉が開きつつあることを実感することができます。ここから先は押し目買い、突っ込み買いの好機と言えるでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━　NSJ Market Forcus
注目記事　Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【“海運祭り” 郵船断トツ大商いで急伸】
日本証券新聞5月30日（月）紙面1面TOP記事掲載　

米国を追って 東京市場でも大幅分割ラッシュの予感