unerry(5034)が7月28日、グロースに新規上場する。
リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を運営。主に小売業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)やスマートシティ領域へ①分析・可視化サービス②行動変容サービス③One to Oneサービス――を提供している。
「Beacon Bank」は月間300億件(5月時点)以上のログ、210万個(同)のビーコンと反応した網羅的なデータを保有。これらはGPSとビーコン技術を活用し、同意済みのユーザー群の携帯端末(アプリ)を通じて取得、同社のデータベースに蓄積される。消費者の行動情報を分析、課題を見える化し、顧客の売上高向上に貢献する。
①の各サービスはクラウド方式で提供するSaaS。基本的に年間契約で、店舗数などに応じた月額課金(15万~95万円)となっている。提供サービスの1つである「ショッパーみえーる」は、全国4.5万店における来店者のリアル行動データをAIで推定し、商圏や競合店舗とのシェア比較、来店客の新規・リピーターの割合や属性、細やかな行動嗜好などを一目で把握することができる。
②ではリアル行動ビッグデータのAI解析により来店可能性が高い顧客群と商圏を発見し、SNS(交流サイト)や動画などで情報を配信する広告を提供。配信広告に店頭設置のビーコンを活用することで来店数・来棚数、購買数などの効果を計測でき、その結果に基づいてより効果の高い広告につなげる。デジタルチラシとして毎月受領する配信料(月額100万~1,500万円)のほか、新規出店や特売セールなどイベントに応じてスポットで受領する配信料がある。
③は主に小売事業者や商業施設運営事業者向けに、オリジナルアプリの開発や統合マーケティング基盤を構築。個々の顧客が必要としている情報や興味関心のある情報を最適なタイミング、最適な媒体(ネット広告、アプリを通じたプッシュ配信など)を通じて提供することが可能となる。ここではシステム・アプリの構築対価に加え、構築後の運用・保守対価を受領(月額100万~1,500万円)している。
強みは屋内・屋外の人流が分かるリアル行動ビッグデータ、AI×豊富なノウハウによるカスタマーサクセス力、リカーリング性の高い安定収益など。また、「ショッパーみえーる」導入顧客に上位サービスをクロスセルする仕組みを構築しており、業務提携・連携や提供サービスの多様化により、顧客数増加×顧客単価向上の好循環を生み出している。(SS)
概要
●事業内容=人流データによるビッグデータプラットフォームの運営、小売・メーカー・自治体へのデータ分析や広告サービスの提供
●本社=東京都港区虎ノ門1-17-1
●代表者=内山英俊代表取締役社長 執行役員CEO
●設立=2015年8月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=352万6,400株(上場時)
●筆頭株主=内山英俊(上場前34.58%)
●公募株式数=14万株
●売出株式数=32万7,600株(ほかにオーバーアロットメントで7万100株)
●仮条件=7月11日に決定
●ブックビル期間=7月12日から19日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、みずほ、いちよし、楽天、岩井コスモ、松井、極東、マネックス、丸三
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2020.6 | 577 | ▼98 | ― | ― |
2021.6 | 783 | ▼162 | ― | ― |
2022.6(予) | 1,364 | 70 | 22.52 | ― |
※単位100万円、1株利益は円。▼は赤字 |