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コラム2022年7月1日

【本日のマーケット】7月1日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月1日(金)のマーケット                                                                   

6月30日の米国株式市場は下落。5月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増加で、4月の0.6%増から鈍化し、市場予想の0.4%増も下回った。PCE価格指数は前年同月比6.3%上昇で、市場予想の6.4%上昇は下回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年同月比4.7%上昇と、4月の4.9%上昇と市場予想の4.8%上昇を下回った。消費の減速を受けて、マスターカードや物流のフェデックスが売られ、金融株も安い。一方、ファイザーは買われた。NYダウは前日比253ドル(0.82%)安の30,775ドル。ナスダックではテスラやアップル、エヌビディア、アマゾンが下落し、節約志向で量販店のコストコは買われた。NASDAQ総合指数は前日比149ポイント(1.33%)安の11,028ポイント。S&P500指数は前日比33ポイント(0.88%)安の3,785。

日経平均は2万6000円割れ。プライム市場では、ロシアのプーチン大統領がサハリン2運営会社の資産をロシアの新会社に移す大統領令に署名したため、権益を失う恐れから三井物産と三菱商事が売られ、LNGの調達難から東京ガスと大阪ガスが大幅安となった。米マイクロンの6~8月期見通しがアナリスト予想を下回り、レーザーテックや東京エレクなどの半導体関連も下落した。良品計画は今期2度目の下方修正で急落。高島屋は第1四半期決算が好感され大幅高。

スタンダード市場では、シンワワイズは大幅続落。フェローテックは3日続落となり、シダックスとクシムは反落した。一方、9月末に1対3の株式分割を実施するコーアツ工業は4日連続ストップ高。ウエストHDはゴールドマン・サックス証券が新規に「買い」判断を発表したことで反発。

グロース市場では、エネチェンジとJTOWERが売られ、直近新規公開株のマイクロアドやM&A総研、マイクロ波化学と坪田ラボが安い。リファインバースは豊田通商にベトナムでライセンス供与することで大幅高となった。アディッシュはセレス子会社と事業連携でストップ高。

日足チャートでは、月曜日に大きくギャップアップでのスタート。火曜日には2万7000円回復となりましたが、水曜日以降は大きく下落。各移動平均線を下抜け、再び下方向へのバイアスが掛かっています。週足では、26週移動平均線にタッチして頭を抑えられた格好。長い陰線を引き、再び下値を探る動きに見えます。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。7月相場が始まりました。

観測史上で初めてという6月中の梅雨明けを受けて、関東地方でも連日のように猛暑日が続いています。地球温暖化の影響が正真正銘、人類に襲いかかっています。

今週も株式市場は神経質な値動きを余儀なくされました。震源地は言うまでもなく物価の上昇です。インフレ抑制のために各国の中央銀行が行った政策金利の引き上げが、依然としてマーケットに不安定さをもたらしています。

現在の物価上昇を金融政策だけで収束させることができるのか、市場の見方は依然としてふたつに分かれています。

日本の場合、そこに加えて電力不足の暗雲が急速に頭上に広がりつつあります。原発再稼働の呼び水といううがった見方もありますが、エネルギー自給率の低い日本にとって火力発電の燃料となる天然ガスと原油を海外市場に頼り続けることは得策ではありません。

7月相場はこれまで以上に厳しい状況からスタートすることになりますが、主要企業の決算が出そろうここから2か月間がまさに正念場です。この現状をしのぎ切れば、企業の旺盛な設備投資に支えられて日本企業には新たな視野が開けてくると見られます。最高益を更新しつつ、配当金支払いをしっかり維持する企業の押し目買いのチャンスが近づいています。

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【食品“値上げの夏”到来
日本証券新聞7月4日(月)紙面1面TOP記事掲載 

森永菓、山パン、伊藤園、日清オイリオ… 業績向上も家計へ打撃?

森永製菓(2201・日足)

“値上げの夏”が到来――。帝国データバンクは6月30日、7月に食品1,600品目、8月に2,000品目が値上げする見通しとの調査結果を発表した。1日には森永製菓(2201・P)のチョコレート、山崎製パン(2212・P)の食パン、伊藤園(2593・P)のミネラルウォーター、日清オイリオG(2602・P)の家庭用食用油、ハウス食品G本社(2810・P)の調味料などが一斉に値上げした。業績向上につながるとして各社の株価は頑強だが、家計にとっては打撃となり、個人投資家は痛しかゆしといったところ。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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7月1日(金)☆[概況/大引け] 

ロシアがサハリン2接収で、日経平均は2万6,000円割れ。三井物産と三菱商事、ガス会社が下落。良品計画は下方修正で大幅安。

大引けの日経平均は457円安の2万5,935円、TOPIXは25ポイント安の1,845ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は308、下落銘柄数は1,485。出来高は13億4,973万株、売買代金は3兆1,469億円。
日経平均は2万6,000円割れとなった。

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