投信ブランドとしても登場
株式市場で「カジノ関連」は物色の人気テーマとなっている。「カジノを中心とした統合型リゾート(IR)を推進する法案」は昨年12月の衆議院解散で廃案となった。しかし、安倍晋三首相は今年2月の参議院予算委員会で、同法案について「国会での議論を見守りつつ、国民的な議論も踏まえ、関係省庁で検討を進めていきたい」と語るなど、引き続き日本でのカジノ実現に向けて意欲を示している。そして、2月19日付読売新聞朝刊で、候補地は横浜市と大阪市との報道も出た。
その実現時期にはまだ流動的ながら、株式マーケットは既に動き始めている。その一例が、三井住友アセットマネジメントの投信ブランド「YOURMIRAI(ユアミライ)」シリーズ第4弾「カジノを含む統合型リゾート」。金融商品として、具体的に「カジノ」の冠が付き始めている。日本ではカジノをギャンブルととらえる人が少なくないが、海外では洗練された大人のレジャーとして確立されている。セキュリティーが厳しく施設内は安全、入場にはドレスコードが設けられているケースもある。日本にカジノが開設された場合、当初は全国で2、3カ所、最終的には10カ所程度の誘致が見込まれている。カジノ施設はオリンピック関連施設とは異なり、イベント終了後も永続的な経済効果が期待される。
こうした中、パチンコホールオペレーターとして世界で初めて株式を香港証券取引所メインボードに上場したダイナムジャパンホールディングス(証券コード06889)は、カジノビジネスのノウハウを蓄積し始めている。ダイナムジャパンホールディングスは2013年8月に、マカオでカジノやホテルを運営している「マカオ・レジェンド・ディベロプメント・リミテッド(以下レジェンド社)」と、電子遊技機の設置、娯楽ホール・飲食店の運営における事業協力について覚書を締結した。今回の事業協力は、マカオの巨大テーマパークである「マカオ・フィッシャーマンズ・ワーフ」およびレジェンド社がマカオに所有するホテル・娯楽施設に、ダイナムグループが新たに開発する電子遊技機(次世代のパチンコ機およびその他の電子遊技機)を設置した娯楽ホールを運営するというもの。また、マカオにあるレジェンド社のホテルやカジノ施設への日本や韓国からの観光客誘致を支援する。また、施設内における日本式のめん類(うどん・そば・ラーメン等)の小売・飲食店運営の事業をダイナムグループが引き受ける。
マカオのカジノビジネスにおける豊富なノウハウを有するレジェンド社とダイナムグループが持つ日本におけるパチンコホール運営のキャリアとノウハウを融合することでシナジーを生み出すことが期待されている。さらに、ダイナムグループの事業運営、事業範囲およびアジアへの事業展開を拡大することをも目的としている。

2005年に設立されたマカオの巨大テーマパークで、ショッピング、レストラン、ホテル、ゲーミングなどが統合された複合施設。
[本紙3月13日付6面]