インターメスティック(262A)が10月18日、東証プライムに新規上場した。メガネブランド「Zoff」を国内外で展開。“低価格メガネ”の先駆けであり、近年はUVケアの観点からサングラスにも注力している。初値は公開価格を25%上回る2,038円。上場当日の記者会見で上野博史代表取締役社長=写真中央=が語った内容のポイントは次の通り。
メガネが主役の時代をつくる……「Zoff」は『究極のオフプライス』(Z=“究極”、off=“オフプライス”)という意味合いがある。メガネ市場においては非常にリーズナブルな価格というイメージがあるが、われわれの価格帯は今のメガネの適正価格という考えを持ってビジネスを展開している。『メガネが主役の時代をつくる』が当社の理念であり、創業当初から変わらぬ思い。もっと自由に・楽しく・気軽にメガネをTシャツのようにかけ替える、そんな社会をつくりたい。
根底に“三現主義”……リアルな現場・現物、現実の状況を常に自ら確認して正しい判断のもとに週次で改善を繰り返す“三現主義”の考えをもとにした商品開発力、接客力、広告戦略が強み。また、メガネは視力矯正器具なので店舗での購買が一般的だが、当社はEC(電子商取引)の販売を伸ばしている(前12月期は48.6%増収)。この要因としては、ファッションやアニメ、キャラクターなどコラボ商品が大きく寄与している。今後の成長戦略は、①既存店舗の強化②積極的な出店③顧客満足・利益率の向上――の三本柱。中でもわれわれが大きな成長の柱と考えているのがサングラス市場だ。
新たなサングラス市場の創造……既存のサングラス市場は高単価市場と低単価市場に二極化されていた。当社はメガネ市場において新たな市場を切り開いてきたように、サングラス市場においても新たな市場を切り開いていきたい。日本はいわゆる不良の象徴のような感覚で捉えられ、積極的にかける方がいない傾向にあったが、コロナ禍の最中にわれわれの商品としてカラーの薄いサングラスの伸び率が非常に上がった。さらに室内ではメガネ、屋外では紫外線に当たると色が変わってサングラスになる調光レンズというものもあり、こちらも売り上げが多い。色の薄いサングラスを起点に、こうしたファッション性の高い商品の売り上げが非常に好調なので、それも含めて新たな価値を創造しているのではと思う。
日本をサングラス先進国へ……温暖化や紫外線の増加などによる社会的な追い風もあり、サングラス市場はコロナ前までCAGR(年平均成長率)16.2%で成長。その中でわれわれは22.1%と市場以上の成長を成し遂げている。サングラスは特に海外の暑い国では必需品となっており、豪州などでは法律になるほど。公共機関や第一次産業に従事する人では紫外線の影響を受けるところもあるので、そこは積極的にサングラスを受け入れて、もっと寛容になっていくべきではないかと思っている。サングラスを必需品のような存在に、子どものころからかけるようなカルチャーをつくっていければと思っている。その中で、サングラスブランドとして第一想起される市場No.1のブランドを目指す。
国内500店舗体制へ……出店についてはご縁というものもあるが、最低でも年間15店舗の出店を心掛けていきたい。海外については、メガネ市場とは世界のGDPと紐づいており、順番としては米国、中国、ドイツ、日本。この順序で市場ができ上がっている。われわれは香港市場で既にNo.1のシェアを獲得しているが、日本市場の7%ぐらいしかない。シンガポールも2~3%程度。まずは日本の市場をどれだけ成長させられるかに視点を定め、独自の価値ある商品でわれわれ独自の顧客をつくれるような状況にしていく。(SS)