エスネットワークス(5867)が12月19日、東証グロースに新規上場した。M&AやIPO(新規上場)などで成長フェーズの転換期を迎えている中堅・中小企業を中心とした経営コンサルティングを展開。初日は値付かず、上場2日目に公開価格の2.6倍に当たる1,956円で初値を付けた。上場当日の記者会見で高畠義紀代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。
専門性に依拠した経営支援……日本が“失われた20年”と言われた1990年代、日本を元気にするには中堅・中小企業やスタートアップ企業を元気にしていくことが必要だと考えたところから創業した会社。会計やファイナンスなどのCFO領域をレバレッジを利かせて支援していく機能を注力すべきポイントとした。主なターゲットは10億円以上~1,000億円未満の中堅・中小企業。会計・ファイナンス領域なので基本的に業種に偏りはない。
実装段階まで伴走……CFO領域でコンサルティングをやっている会社はたくさんいる。当社も「助言」の機能を持っているが、特に「実行・実装」のニーズが高く、ここが独自のポジションとなっている。CFO領域は主に資金調達や株式公開、M&Aといった企業変革時に必要となるが、中堅・中小企業には実行・実装するまでの人材が集まっていないことが多い。例えば、M&Aでは企業買収後のPMI(M&A成立後の統合プロセス)がもっとも勝負どころとなるが、多くのコンサルティング会社はその手前のアドバイスで契約を終結している。一方、当社ではまず業務フローから全て見直し、経営の意思決定に必要な情報が経営者のもとに届くところまで仕組みを実装し、経営者がきちんと目的を達成するところまで伴走する。
成長戦略……変革を求めている企業はたくさんいる。人材育成に注力し、プロジェクトマネージャーレベルのメンバーや、より深い提案ができるメンバーを採用・育成していく。また、国内のみならず海外子会社で苦労している会社もけっこういる。そこに対してまだ十分にサービスが提供できていないので、社内体制を拡充していく。既存コンサルティングの周辺領域でも企業の成長支援ができると考えているので、今後事業を拡大していきたい。(SS)