エリッツHD(5533)が6月27日、スタンダードに新規上場した。京都・滋賀を中心に不動産仲介や管理を行っている。初値は公開価格を26%上回る2,000円で、その後、ストップ高(2,500円)となった。上場当日の記者会見で、槙野常美代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

3事業のシナジーで成長……不動産仲介事業は店舗展開をしながら、新規顧客の開拓を行っている。仲介でどんどんオーナー様の信頼を得て、建物管理も任せてもらうシナジー(相乗効果)があり、不動産管理事業もどんどん拡大している。居住者サポート事業は入居者への生活インフラの紹介をしている。また、他の不動産業者向けに不動産管理ソフトの販売や、OEMとして電話録音システムと顧客管理システムを融合したシステムを販売している。新規顧客が増えると、管理マンションも増え、増えた顧客に居住者サポートを行う。3つのシナジーが大きい。特徴的なのは居住者サポート事業で利益率が高い。

コロナ収束で成長軌道へ……2021年度、22年度はコロナの影響で売上高6.5%の成長だった。中期経営計画では管理戸数、仲介件数の倍増を盛り込んでおり、10年ほどで達成したい。最低年7%成長を目指しており、今9月期に入りコロナが収束したので7%成長に戻ると思う。17年連続で配当を出しており、配当性向30%を軸としている。

システムで情報管理の一元化を実現……弊社グループの強みは情報管理の一元化ができていること。基幹システムが21年度から稼働しており、あらゆるところで情報の一元化が進んでいる。ソフトは自社開発で、世の中の流れが変わった時にすぐカスタマイズできる。仲介事業の新店舗が早くできるようになったし、オーナーや入居者のスムーズな管理もできている。

将来は東京にも……新規顧客開拓のため、現在、大阪、奈良へ店舗展開をスタートしている。いずれは法人が中心となるが東京に進出できればと思っている。新規事業として本年度から本格的にシェアサイクルに取り組んでいる。海外はマレーシアに子会社があるが、コロナで2年間出入国禁止だった。コロナ前に仲介したマンションが完成するので、運用する予定。最近カンボジアの業者からの依頼があり、カンボジアのマンション販売も手伝う。(HS)