ジグザグ(340A)が3月31日、グロースに新規上場した。海外から日本への越境EC(電子商取引)を支援する。初値は公開価格を35.3%上回る2,030円。上場当日の記者会見で、仲里一義代表取締役=写真=が語った内容のポイントは次の通り。
海外売上高比率94%……当社はタグ1行で世界中のカスタマーとECサイトを気持ちよくつなぎ、越境ECをシンプルに実現する事業をやっている。カスタマーとショップを気持ちよくつなぐのがプロダクトの特徴。売上高の平均成長率は3年間で38.8%。既に黒字化していて、前期の営業利益率は20%。中でも売上高の94%が海外売上高で、アジア、北米の成長著しいマーケットが85%を占めている。当月の売り上げがある月間アクティブショップ数は前期比33%増。今後も高成長、利益拡大を見込んでいる。
ウェブインバウンドに着目……私が海外からモノを購入しようとして買えなかったのが創業時の原体験。インターネットで情報は国を超えるが、言語、決済、物流の壁で自由にモノを買えない状況だった。越境ECというと、中国のモールに進出、販売するイメージがあるがわれわれはそのビジネスはしていない。ウェブインバウンドといっているが、今、リアルに多くの外国人が日本にやって来て買い物をしている。同じように日本のECサイトに外国人が見に来ているが、その多くは買い物ができない。カナ入力フォームができない、ウィーチャットペイ、アリペイといった海外の決済が提供されていない、ショップが海外に配送していないなどの壁が存在した。ここをわれわれがタグ1行で簡単に解決する。
知財戦略も重視……ショップ向けのWorldShoppingと、海外カスタマー(顧客)向けのWorldShoppingで、ショップとカスタマーを気持ちよくつないでいる。日本のECサイトにタグを設定すると、日本からは見えないが、海外からだけ見えるショッピングカートが出現。そこに商品を入れ、カナ入力不要、アリペイなど海外の様々な決済手段が使え、われわれで多言語カスタマーサポートから配送まで一気通貫で提供する。ショップからは月額費用、カスタマーからは購入代行サービスで購入手数料、配送手数料をいただくビジネスモデル。このユニークなポジションを強めるため、創業時から知財戦略を重視しており、国内8件、海外5件の計13件の特許を持っている。ショップの売り上げが伸びるほど、当社の売り上げも伸びる。ローリスクで手間がかからないため、大企業から中小、地方企業まで多くのショップで採用されている。海外カスタマーからも喜びの声をいただき、それを取り入れながらサービスを改善している。
将来的には世界展開……国内のEC市場は約21兆円。われわれのデータでは2~4%が海外からのアクセスで占めており、4,200億円~8,400億円が買われていない。今後、越境ECは10年で10倍成長するマーケット。海外からの需要も増加するし、リアルの訪日客が、帰国後に越境ECを利用する可能性を秘めている。今は日本のECサイト支援だが、将来的には世界展開し、海外のウェブインバウンドを世界に販売することを見据えている。
エンタメ、ホビー注力へ……成長戦略は大きく3段階に区切っている。フェーズ1として、まずはプロダクトのブラッシュアップ。バリューチェーンに沿った機能向上をする。今は基本機能を実装しているが、パーソナライズ、リコメンデーションといったより深いマーケティング機能を重視することで、トランザクションを増やそうと考えている。次はAI、テクノロジーによる販売最適化、オペレーションの効率化。当社は海外カスタマーのアクセスやオーダー状況などユニークなデータを保有している。これを活用して、ショップ、カスタマーに価値を還元していく。3番目は海外拠点展開。まずは日本のショップの海外販売を強化する。今はファッション中心の売り上げが多いが、今後、エンタメ、ホビー、さらに違うカテゴリーも強化する。中長期的には日本だけでなく、アジアや北米のショップのウェブインバウンドを解決していく。(HS)