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IPO2023年4月4日

IPO社長会見 ノバシステム 既存システムの近代化、DX化が成長の源泉に

ノバシステム(5257)が3月30日、スタンダード市場に上場した。生保、損保、銀行など金融業界向けを中心に業務用情報処理システムの開発を手掛ける。初値は公開価格を50.8%上回る2,565円。上場当日の記者会見で芳山政安社長=写真=が語った内容は以下の通り。

保険、金融に特化し、豊富な知識・経験を蓄積……当社の売上高は約98%がシステムインテグレーション(SI)で、このうち約55%が保険業界向けだ。保険以外では銀行など金融業界、製造業、物流業界など。他社との違いは保険、金融に特化し、豊富な知識・経験を蓄積しており、業界特化型の戦略が取れることだ。これが継続的な受注につながっている。前年度から繰り越された継続案件が売上高の8割を占め、2割が新規案件となっており、安定的に営業利益を上げることができる。主要取引先は日本生命のニッセイ情報テクノロジーをはじめ大手生保のシステム子会社や、大手SI企業で、信頼度が高い。

システムのモダナイゼーションが課題……金融・保険業界はレガシーシステム(既存システム)のモダナイゼーション(近代化)という課題を抱えており、SI事業はここで成長できる。古いシステムのWeb化、効率化、利便化などに取り組む。DXも需要が拡大する。当社の豊富な業務知識とデータサイエンティストによる提案型活動で、案件を獲得していく。中期的には売上高で10~15%の成長が可能とみている。営業利益率は10~12%(2023年12月期予想は8%)にまで高められるだろう。現在45%程度の元受け取引の比率を60%程度に挙げる考えで、これが利益率の上昇につながる。

クラウドサービスをSaaS型ビジネスとして展開……クラウドサービスの拡大にも力を入れる。飲食店向け店舗運営支援システム「オーダー・レボリューション」、企業向け受付業務支援システム「アイウェルコ」、現在開発中の入退室管理システムの3つのモデルでクラウドサービスをSaaS型ビジネスとして展開していく。例えば「アイウェルコ」はAI技術を用いた顔認証を利用しており、タブレット端末の前に立つだけで受け付けを済ませることができる。コロナ禍で感染対策が当たり前になっており、旧来の電話受付からの置き換えが期待できる。同様に入退室管理もカードキーから顔認証への置き換えが見込まれ、市場開拓の余地は大きい。(M)

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