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IPO2025年1月7日

IPO社長会見 フォルシア 検索技術で旅行・観光業界を支援

フォルシア(304A・G)が2024年12月26日、グロースに新規上場した。旅行・観光業界向けを中心に検索システム開発などを行っている。初値は公開価格の2倍の3,640円。上場当日の会見で、屋代浩子代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

顧客とリアルビジネスデータをつなぐ……デジタルビジネスプラットフォーム事業を推進し、検索テクノロジーをベースとして、その検索を使ったソリューション型サービスとSaaS型サービスを行っている。検索エンジンは世の中にたくさんあるが、膨大で複雑なデータから瞬時に必要なデータを抽出する検索テクノロジーが、フォルシアの最大のウリになっている。グーグルなどは世の中に既にあるウェブ上のデータを対象に検索する。フォルシアは顧客とリアルビジネスデータを直接つなぎ、今、在庫があるものを検索することなどができるというのが一番の違い。従業員数は約130人で半数がエンジニア。

SaaSで営業利益率向上……現在、売上高の7割近くが旅行・観光業向け。旅行業界が一番大変なのは在庫、値段、キャンセルなどでデータがどんどん変わっていく。また、宿泊が1人か3人か、一緒か隣に座るかなど全て加味して最適なものを見つけ出せるのが、私どもの複雑検索エンジン。旅行・観光業界だけをターゲットにしてシステムをつくっているわけでないが、ニーズが一番フィットした。起業してから23年、ずっと検索ビジネスをやってきており、順調に右肩上がりで売り上げを伸ばし、2025年2月期の売上高は23億円を予定。営業利益率については9%程度。4年ほど前からSaaS型サービス展開しており、ボリュームが増えているのと比例して利益率を伸ばしている。

開発のたびに進化……フォルシアの強みは3つ。まず突き抜けた検索性。データベースの特性、お客さまの探し方などにより臨機応変にベストソリューションの検索を提供できる技術力。2つ目はそれらの技術を支える優秀な技術者の確保と育成に成功していること。技術者がお客さまと直接相対して、開発スピードを上げる。3つ目はシステムを納品して終わりでなく、開発のたびに進化するリカーリングビジネスモデルを展開していること。1人目に販売したシステムを、2人、3人、4人目と売っていくうちに、より早く、よりクオリティの高いものになる売り方をしている。

webコネクトで一気通貫……国内の大手旅行会社10社中8社の取引実績がある。旅行会社のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進んでおり、特にコロナ禍が明けてから大きくかじを取っている。その中でフォルシアの検索をベースとしたシステム基盤のニーズが大きくなっている。検索以外にもデータベースの整理や、検索した後の予約サービスなどを含め、一気通貫した「webコネクト」というサービスを最近つくり、大手旅行会社に検索以外の販売をすることが、足元で大きなビジネスとして積み上がっている。

新規参入支援やマーケットプレイス構築へ……また、第2のステップとして旅行会社以外で観光DXを活用した新規参入の支援、3つ目はマーケットプレイスビジネス、フォルシアのプラットフォーム上で利便性をもって快適に予約をして旅行できるシステム基盤を構築し、何か旅行商材を売買するとき、プラットフォーム上で成立したら手数料を得るという形にしていきたい。今、国内のいろいろな商材をつないでいる状態で、将来的には海外の人もそこにつなぎたいということが視野に入っている。(HS)

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