ブリーチ(9162)が7月5日、東証グロースに新規上場した。同社は独自の報酬体系で顧客企業のマーケティング支援を行うシェアリング型統合マーケティング事業を展開。初値は公開価格を19%上回る1,603円。上場当日の記者会見で大平啓介代表取締役社長兼執行役員CEO(写真)が語った内容のポイントは次の通り。
業界唯一のレベニューシェア型報酬体系……従来のマーケティング支援会社(予算型)は初めから一定の予算を確定・確保する必要がある。そのため、特に中堅・中小など予算に余裕がない企業、費用を最小に抑えて効果を最大化したいといった企業は十分なマーケティング支援を受けづらい。また、従来の予算型の場合はマーケティング支援を発注後、その成果が期待通りに出なかった場合には、お客さま側が十分な利益が出ないリスクが発生する。当社の場合はレベニューシェア型の報酬体系であり、お客さまは初期費用も一切支払う必要はない。当社への報酬は、当社の支援によって新規購入ユーザーを獲得した場合など、実際にマーケティング効果が出た後に、効果が出た分のみの報酬をお支払いいただければ良い。また、お客さまはCPA(新規ユーザーの獲得単価)をあらかじめ確定できるため、収益を見通しやすくなる。
収益モデルの特徴……頂くレベニューシェア額は、あらかじめお客さまと合意したレベニューシェア単価に、当社が実際に獲得した新規ユーザー数を掛け合わせて算出される。また、当社側が先行して広告投資を行い、お客さまから頂くレベニューシェアによって広告投資額を回収するモデルとなっている。当社がお客さまから受領するレベニューシェア額から広告投資額を差し引いた金額を広告利益と呼んでおり、売上高よりも広告利益を重視した経営を行っている。また、収益性を表す指標としてROAS(広告投資額に対する投資収益率)という指標を管理している。このROASが一定以上の水準となるように徹底して管理することで、高い収益性を維持している。
強み……お客さまの商品の売り上げ拡大余地をしっかりと精査をし、様々なマーケティング施策を実行することで、当社の収益の柱となるコア商材(月間のレベニューシェア額1,000万円以上の商材)を高い再現性をもって生み出せる。豊富な商材パイプラインを持っているが、その中から独自にスクリーニングをして、実際に広告投資を行ってテストマーケティングを実施し、過去のマーケティングデータと照らし合わせ、基準をクリアした商材のみを本格支援していく。ポテンシャルの大きい商材のみに絞って、市場から当社が選定できる点が強みの1つ。さらに、マーケティング支援機能は全て内製化しているので、高速かつ大量のPDCAにより、高いマーケティング効果を発揮することができている。
成長戦略……バリューチェーンを拡大していくことで、当社の収益の柱となるコア商材の数、そして商材当たりの平均売上高、この2つのKPIを伸ばすことで引き続き高い成長を目指す。具体的には、①人材採用・育成の強化②商材パイプラインの拡充・コンサルティング領域の拡大③マーケティング手法の拡大④AI・ITシステムとデータの活用――に取り組む。(SS)