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IPO2023年4月27日

IPO社長会見 レオス・キャピタルワークス(7330・東証グロース) 東証で最も「株主数が多い会社」を目指す

レオス・キャピタルワークスが4月25日、グロース市場に上場した。日本株の投資信託で運用資産残高が最大の「ひふみプラス」の運用会社。初値は1,730円。公開価格1,300円を33.1%上回った。上場当日の会見で代表取締役会長兼社長の藤野英人氏が語った内容のポイントを紹介する。

2024年の新NISAは「大チャンス」、運用会社は「成長産業」
「ひふみ」ブランドの投資信託を運用している。資産別に大きく分けると「日本株」「世界株」「バランス型」がある。ちなみに「レオス」と聞くと「日本株」、しかも中小型株のイメージを強く持たれているようだが、実は「ひふみワールド」もしくは「ひふみワールド+(プラス)」という世界株を投資対象とするファンドが昨今、非常によく伸びている。

今はシリコンバレーバンクショックやクレディスイスの破綻など、金融機関の上場としては最悪のタイミングかもしれない。しかし2024年から始まる新NISA(少額投資非課税制度)、投資期間が無期限となり投資可能金額の上限も上がることから、当社では「大チャンス到来」ととらえている。この波に乗ることが今回のIPO(新規上場)の大きな目的だ。

そのような中で当社が目指すのはファイナンシャル・インクルージョン。一部の資産家が富を独占するのではなく、ごくごく普通の人が投資にアクセスするような社会を作っていく。ちなみに国内の投資信託は現在約90兆円と、金融資産全体2,005兆円に占める割合はわずか4.5%。これが米国の12.6%、欧州10.4%並みに拡大するといった未来を予想している。

特徴は「現役世代」「積み立て」「強力なオウンドメディア」
ひふみの利用者は123万人程度。つまり、日本国民の100人に一人がレオスの投資信託を何らかのかたちで持っているということになる。そんな利用者には、59歳以下の“現役世代”が77%を占めること、解約率は月間1%と非常に低いこと、積立投資の比率が69%と高い、といった特徴がある。

ちなみに彼らの積み立て額は年間1,300億円に上る。当社では今後も若者を中心に資産形成層を獲得することで安定成長を続けつつ、加えて「新規顧客による積み立て」「市場リターンによるアルファ」、そして「新商品の投入」を掛け合わせていく。

もう一つの強みがオウンドメディアだ。YouTube「お金のまなびば!」の登録者数は21.6万人で、これは国内の金融機関はもちろんのこと、トヨタ自動車さんのトヨタイムズに次ぐ規模感。いち企業のオウンドメディアとしては非常に強力なものとなった。

「インベスタマ―」株主でありファンド保有者(カスタマー)になってほしい
当社はこれまで売上高成長率15%以上、営業利益率40%程度、ROE(自己資本利益率)も30%弱と、非常に高成長かつ高収益の会社であり、かつ、配当余力も大きい。そういう観点で見れば、私たちの魅力は投資家の皆さんにはまだまだ伝わっていないと感じる。例えば運用会社をM&Aする際には、その価値を運用総額をベースに算定するのだが、この基準に照らし合わせても当社の価値はインデックスファンドの運用会社並みで、本来あるべきアクティブファンド運用会社の水準にはほど遠い。現時点の株価には大きなアップサイドがある。

今回のIPOでできるだけ多くの投資家の方に当社を見ていただき、結果、目指すところは時価総額などではなくて「東証グロース市場の中で株主数ナンバーワン」。ひふみのファンになっていただき、投資家にもなっていただき、そうして“国民のインフラ”、投資信託を生み出すインフラ企業という認識でレオスとお付き合いいただければと思う。

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