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IPO2023年4月6日

IPO社長会見 日本ナレッジ ソフトウェアテストの自動化を推進

日本ナレッジ(5252)が3月23日、グロースに新規上場した。ソフトウェアのテスト、品質検証サービスや、業務系パッケージソフトウェアの開発、販売などを手掛ける。初値は公開価格の2.5倍にあたる3,750円。上場当日の記者会見で藤井洋一代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

1985年にゼロからスタート……当社は1985年に私が創業者となり、業務系ソフトウェアの開発を目的にゼロからスタートした。2001年からシステムの検証サービスを請け負う事業を手がけており、現在は検証事業が6割、開発事業が4割ほどを占める。取引先は大塚商会、NECなど大手企業が多い。当社との取引歴が30年を超える大塚商会とNECは、開発と検証の両方の事業において、本社だけではなくグループ全体で取り引きいただいている。

IT人材不足が検証事業の追い風……ソフトウェアの品質担保に関するテスト工程は従来、メーカーやソフトウェア開発会社の社内で実施されていたが、国内でのIT人材不足を背景に、経営リソースを開発工程に集中させる傾向が高まり、社外へのアウトソーシングが加速している。ソフトウェアはますます複雑化しており、テスト工程に求められる専門性が一層高度になっていることも当社への追い風だ。

テストの8割は自動化で……検証事業では従来型の手動で行うソフトウェアの品質テストと、工程の一部あるいは全てを自動化するテストと分けている。自動化はテストにかかる人員削減、実施時間の短縮、正確性の向上などにつながり、現在は8割を自動化、2割を手動で行っている。従来型の開発、たとえば金融のようなシステムは不具合があると大変なことになるので、OSのバージョンアップもしないで使い続ける。こうしたものは手動のテストに向いている。一方でWEB上で動作するシステムは常に競争しながらサービスを切り替えていく。「スピード命」ということになってくるので、WEB系のシステムはプログラムを直したらすぐテストをしてリリースしなければならない。自動化が必須となり、当社への引き合いが非常に多くなっているのが現状だ。

マーケットは6兆円超……総務省の情報通信白書によると、20年のソフトウェア市場は16兆7,000億円で、そのうちテスト市場規模は6兆2,000億円と、非常に大きなマーケットがある。当社も需要が十分にあり、人手が足りない状況になっている。

優秀な人材採用は地方展開で……当社の特徴は拠点が地方に点在していること。優秀な人材を確保しているうちに地方の拠点が増えた。人材採用は今、IT系では難しいと言われているが、当社は地方展開で乗り切っている。なぜ地方かと言うと、われわれの仕事は以前は東京集中で顧客企業に常駐する案件が多かったが、コロナ禍以降、わざわざ常駐しなくとも在宅もしくは当社の拠点で仕事をすることが可能になったので、離職率も低い地方の優秀な人材を集めていこうとなった。現在は札幌や諏訪での人員増強を計画している。上場で調達した資金は人材の採用と教育に充てたいと考えている。

23年3月期の業績は会社予想を上振れか……23年3月期の売上高は前期比7%増の34億5,700万円、営業利益は36%増の1億8,000万円との業績予想を既に出している。ただ、2月に終了するのではないかと懸念のあった大型プロジェクトが無事継続できたため、売上高、利益とも若干上振れするのではないかと予想している。(YY)

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