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IPO2023年12月26日

IPO社長会見 早稲田学習研究会 質の高い授業と面倒見の学習塾

早稲田学習研究会(5869)が12月22日、スタンダードに新規上場した。北関東を地盤に小中高校生向けの学習塾を展開している。初値は公開価格を15.2%上回る1,118円。上場当日の記者会見で、柳澤武志代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

生徒数は1万8,000人以上……生徒の成績を上げる指導を通じて社会に貢献するのが経営理念。質の高い授業と面倒見をモットーに35年間運営してきた。現在、発祥の地である群馬県、そして栃木、埼玉で集団塾を運営。東京都内では個別塾も運営している。1987年に現会長の吉原(俊夫氏)が近所の子供たちに家庭教師を始めたことが創業のきっかけ。生徒第一主義を実践する姿勢が各地域の生徒、保護者からご好評いただき、現在では生徒数1万8,000人を超え、校舎数も60に迫るまで成長できた。

ファースト個別は東京でも……事業部門は大きく3つ。ゼミ部門、ハイ部門、ファースト個別部門となっている。ゼミ部門では小、中学生対象の集団塾で売上高の7割を占める。ハイ部門は高校生を対象とした集団塾で大学受験をメインに指導をしている。ゼミ部門の卒塾性がそのまま通うビジネスモデルが特徴。ファースト個別部門は小中高全ての学年を対象に個別指導をしている。ゼミ部門とハイ部門は北関東で最大規模の学習塾。ファースト個別は10拠点で、そのうち都内に7拠点展開している。

正社員教師で差別化……売上高は順調に伸びており、利益率20%前後と安定した水準。今期も生徒数が順調に増加している。翌期以降も新しい校舎の出店やサービス品質の向上でより業績を向上させるよう努める。少子化で競争が厳しい激しい中、当社の営業利益率は20%と高く、35年間撤退した校舎はない。強みは超大型校舎と高い集客力だと説明できる。超大型校舎は、一事業所当たりの生徒数も一般の塾の5倍。教師は全て自前で用意しているのが特徴。経験の有無、新卒中途に関わらず全国から初任給40万円という好待遇で募集する。応募者は厳選して正社員として採用。その後、本部で研修を集中する。生徒第一主義の理念を実践できる教師力が最重要と考えており、妥協せず一定せベルに達するまで研修を行う。競合は基本的には大学生のアルバイトがメインなので、教師力で大きな差を生む。効率よく学習するための独自開発教材、長時間の無料補習といった環境整備にも力を入れており、これら全てが地域での評判、安定した業績につながっている。

将来は全国展開も……今後埼玉県を中心に校舎展開をしていく。具体的には年間3校舎以上の出店を予定している。足元では物件、人員、業績ともに計画通り。物件取得済みの校舎は埼玉県で6、栃木県で1校舎。校舎展開だけでなく、今期からスタートしている小学校低学年の指導や新たな商品開発などを含め、事業価値の向上に努める。将来的には全国展開も考えている。私たちは直営、正社員という人材をもとに展開するので、(既に進出している)地域の近いところから埋めていくイメージ。千葉、茨城、あとは東京の市部が検討に入ってくると考えている。東京23区は現在、進出することを検討するフェイズにない。私たちのメインターゲットは公立中から公立高校に進む生徒だが、23区についてはかなりの割合が私立中受験がメインで顧客ターゲットがいない。もう一つ不動産コストの高さから現時点では23区は検討にない。

創業以来黒字経営……自己資本比率も高く盤石な財務体質。今後は成長のための資金確保と併せて株主への積極的な還元に努めていく。今期末より配当性向50%以上を予定している。(HS)

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