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IPO2024年2月29日

IPO社長会見 Cocolive 追客・顧客管理を仕組み化

Cocolive(ココリブ、137A・G)が2月28日、東証グロースに新規上場した。不動産・住宅販売に特化した営業支援ツール「KASIKA(カシカ)」をクラウドサービスとして提供。初値は公開価格比2.24倍の3,990円だった。上場当日の記者会見で山本考伸代表取締役(写真)が語った内容のポイントは次の通り。

住宅購入は人生の一大イベント

いろんなものがインターネットで買える時代になっているものの、住宅の購入は人との相談を通して自分が欲しい家を探していく作業であり、“人”の介在が不可欠。住宅の購入は恐らく人生で一番高い買い物、そして初めての大きい買い物であるケースが多い。そのため、消費者の方が不動産の購入を検討してから契約を締結するまでにすごく長い期間がかかる。

それに対して、営業は今月、来月の成果が求められる職種。いわゆる今スグ客、今すぐ買ってくれそうなお客さまには一生懸命営業できるし、ニーズも把握できるが、長期客の追客(広告などで集客した消費者に対して行う電話やメールなどでの営業活動)やニーズの分析が難しいという課題があった。

KASIKAの提供価値

どんなシステムでも分かりにくそうと思ってしまったら入口が難しくなってしまう。KASIKAはまず直感的であるということを大事にしている。また、長期の追客が必要なため、「自動化」についても重視している。

住宅を購入される方は、まずSUUMOやHOMESといったポータルサイトで不動産情報を探して、住宅会社や不動産会社に問い合わせ・資料請求をする。KASIKAはその問い合わせ情報を自動登録し、自動追客を行う。ここでは自動返信だけでなく、顧客企業ごとにカスタマイズしたオリジナルの情報を送るのだが、この反応をもってして優良顧客の絞り込みまで行い、営業活動を効率化していくという仕組み。

手厚いサポート体制が強み

プロダクトだけでなく、手厚い運用サポートも特徴のひとつ。KASIKAを使いこなしてもらえるよう、顧客ごとに専任のサポーターがつき、導入初期から伴走型で運用のサポートを行う。毎月定例会(KASIKA活用の勉強会や成功事例の勉強会)を開催している。

これは私たちの強みにもつながっている。各事業部のサクセス・サポート担当が顧客のフィードバックを受けやすくなり、お客さまの要望や改善点をどんどんプロダクトに反映していく。

機能開発で成長

顧客は工務店・ハウスメーカー、不動産売買仲介事業者、分譲マンション事業者で、業界別にそれぞれユーザー数ごとの課金、店舗もしくは物件ごと課金していくモデル。今後は集客関連や成約・成約後の機能追加、追客が必要となる他業種への進出などに取り組む。

足元では「物件データ提供」と「来場予約」の機能を開発中であり、前者は3月中、後者は今5月期中のサービス提供を予定している。本格的に収益源として一定数利用いただけるのは翌期からとなろう。まずは人材の確保、特にカスタマーサクセス部門の採用に力を入れる。

“人間味”のあるサービスを

家探しは自分のあいまいな理想像を具現化していく作業でもある。当面は人が一緒に伴走していくとみられ、それこそ人間が出せる価値と考える。一方で、人間味があるサービスをアナログで管理するのは非効率。人がやりながらデータで管理できる部分はデジタル化していった方がいい。デジタルの上で人間味があるサービスという姿が理想像だ。(SS)

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