ROXX(241A)が9月25日、グロースに上場した。ノンデスクワーカー向け転職プラットフォーム「Zキャリア」の運営などを行う。初値は公開価格を8%下回る1,941円。上場当日の記者会見で中嶋汰朗代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

ノンデスクワーカーと正社員を求める大企業をマッチング……ノンデスクワーカー、非正規で働いている方、主に年収200万円以下の方々と、建設、工場、飲食、介護、物流などで正社員を求める企業とマッチングしている。求人は学歴、職歴を問わず、正社員を毎年数百～数千人採用する企業を中心に掲載いただいている。大卒で就職し専門性を身に付けてキャリアアップする方を対象にする転職サービスは多いが、これからスキルを身に付けたい方やこれから正社員になろうとする方を対象にしたサービスは多くなく、そこに注目してから当社は大きく伸びている。「バックチェック」というツールも提供している。例えば犯罪歴や破産歴などのチェックや、一緒に働いてきた方々にウェブインタビューして働きぶりなどを聞くサービスで、採用リスクを軽減させるもの。

年明けにテレビCMを予定……人手不足はこれから異常なスピードで進むが、いわゆる現場の仕事は人の介在が必要なことが多く、機械化対応にも限度がある。求人は非常に多く、求職者をいかに集めるかが今後の成長のポイントになる。このため年明けにテレビCMを打つ予定。「正社員になるならZキャリア」という認知を世の中に広げることで求職登録者を増やしていく。また、スカウト業務をAIが自動で代行する「AIスカウト」、スマホでAIと話すだけで選考が終わる「AI面接」とAIを活用した2つのプロダクトで収益性改善、収益源増加を図る。

早期売上高100億円……これらにより早期に売上高100億円、営業損益は足元赤字だが、売上高営業利益率では20%水準を目指していくことを掲げてIPOさせていただいた。採用した人材の戦力化も進んで2024年9月期は第4四半期は黒字であり、25年9月期は基本的には黒字化できる状況だが、それ以上に認知度向上に向けてマス広告費をかけるため、若干の赤字が残る見込み。

低所得者の所得向上を支援……事業を通じ、低所得層の所得を引き上げていきたい。仕事に困っている=生活そのものに困っている、ということが多い。当社領域では交通費がなくて面接に行けない、内定が出たが健康診断を受けるお金がなく辞退、最初の給料日までお金がもたないといったケースが本当にある。そうした方々が少し余裕を持てるようにするところを目指している。実はアイフルと提携した。お金を借りてくださいというのではなく、お金を借りている人に転職して所得を上げませんか、生活水準を上げませんかという取り組みを中心に広げていきたい。(Q)