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IPO2015年6月18日

☆新規上場紹介 クレステック(7812) 7月8日、JASDAQ。マニュアル制作など企業の印刷物作成を支援

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クレステック(7812)が7月8日、JASDAQに新規上場する。

「テクニカルドキュメンテーション」制作が主力の同社。顧客企業の製品に添付する取扱説明書や技術者向け修理マニュアルなどの企画やライティング、70言語以上の翻訳、イラスト作成や紙面デザイン、海外ネットワークを駆使した印刷など、制作にかかわるあらゆる業務を手掛ける。対応する製品群はデジタルカメラや携帯電話、ゲームなどのデジタル製品から、パソコンやプリンタなど情報機器、家電などの汎用品にとどまらず、医療機器や産業機器までと多岐にわたる。

常に一歩先を意識した経営が同社の強み。日本ではまだワープロが主流だったころにスティーブ・ジョブズ氏が創業し、その後アップルに買収されたNeXT社のコンピュータを全社的に導入したり、オンデマンド印刷を日本企業として真っ先に導入するなどのチャレンジを続けた。1984年の創業時より世界を視野に入れて海外拠点の構築に着手。90年代に入ると日系企業による生産拠点のアジア移転が始まり、同社はこれにすぐさま対応した経緯もある。

現在は11カ国に13法人・19拠点を配して、主に日系企業の海外販促活動をサポートするが、柔軟な経営と品質への高い評価は海外企業にも伝わっているもよう。2年前には大手医薬品メーカーの独メルク社よりインドネシアにおけるサプライヤーに任命され、スラバヤ工場で取扱説明書の製造などを請け負っている。その後は中国の蘇州工場でも日本市場向けメルク社製品の取扱説明書を受託したほか、蘇州工場では中国のジェネリックメーカー大手6社からも案件受注している。

加えて近年は顧客企業のビジネスに沿って川上、川下へも事業を拡大中。新製品開発のための市場動向調査や各国の法令確認などコンサルティングに始まり、コスト面などから効率的な製品パッケージや緩衝材を日本で設計して海外で製造するといった事業を行っている。あるいは顧客が製品を販売した後のアフターサービスにも対応。ファンクラブや定期イベントの企画・運営なども手掛ける。テクニカルドキュメンテーションの作成を手掛ける競合は多いが、同社のようにサプライチェーンを一括サポートする例はほかにない。

多品種少ロットへの対応も大きな特徴だ。大手印刷会社など世界の競合はコスト面などから輪転機を回すような大ロットを好むが、近年は消費者ニーズが多様化していることもあり、多品種少ロットにも快く対応する同社への引き合いが増加している。コスト面ではアジア企業が有利も、ハンドリング能力の高さから同社が選好されているもよう。例えばエアコンはインド専用のモデルを作るなど地域ごとにカスタムが必要で、20種類も用意されるケースが。当然ながらマニュアルも20種類必要で、これら複数種類の製造が同時に行われる中、ミスなくマニュアルを梱包するといったハンドリング能力を現地企業は持ち合わせていない。(Y)

概 要
事業内容国内外における取扱説明書などの各種ドキュメントの企画・制作・翻訳・印刷事業および梱包資材設計・BPOサービス事業
本社静岡県浜松市東区笠井新田町 676
代表者髙林彰
設立1984年9月
上場前資本金1億500万円
発行済株式数(上場時)318万9,900株(上場時)
筆頭株主三菱UFJキャピタル3号投資事業有限責任組合(上場前12%)
公募株式数191,000株
売出株式数213,900株(オーバアロットメント 59,000株)
初値1,751円(82.4%高)
公開価格960円(6/26)
ブックビル仮条件910~960円 (6/17)
ブックビル期間6月19日~6月25日
引受証券三菱UFJモルガン・スタンレー(主幹事)、みずほ、野村、SMBC日興、SBI、藍澤、むさし、岡三、静銀ティーエム、エース、丸三

業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2013/611,747百万円436百万円26.73円5円
2014/613,241百万円483百万円71.40円5円
2015/6(予想)13,550百万円604百万円105.50円30円

[本紙6月19日付2面]

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