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グリーンペプタイド(4594)が10月22日、マザーズに新規上場する。
同社は久留米大学由来の技術(創業科学者は同大学がんワクチンセンター長の伊東恭悟教諭)などをベースに、がん免疫治療薬の開発や販売を手掛ける創薬ベンチャー。久留米大学の研究成果である200種類超のがん抗原ペプチドについて権利を保有していることが強み。
がん免疫療法は、外科手術、放射線治療、化学療法に続く“第4の治療法”といわれている。体に備わった免疫系を利用して、がんの増殖スピードを抑えることで生存期間の延長を実現させるもので、「がんワクチン」と「免疫チェックポイント抗体」に二分される。このうち同社が開発しているのは、がん細胞が作るペプチドを目印として、がん細胞を攻撃する「がんワクチン」の方。
がんワクチンには、遅行性(投薬から効果発揮まで時間がかかる)、免疫逃避(がん細胞が目印となるペプチドの生産を止め、治療薬の標的から外れようとする反応)という課題があった。同社では免疫メモリーのあるペプチドを投与することで薬効の早期発揮を図るなどして課題を克服した。
パイプラインは「ITK-1」と「GRN-1201」の2つ。
「ITK-1」は前立腺がん患者向けで、HLA-A24という日本人の60%が保有する白血球型に効果を発揮する。2011年に富士フイルムにライセンス導出し、現在、冨士フイルム主導で第3相臨床試験を行っている。中間解析も通過した。
前立腺がんの中でも、ホルモン療法(武田薬品のリュープリンなど、男性ホルモンを抑制してがん細胞の増殖を抑える方法)、化学療法(ドセタキセルやカバジタキセルなど)を経て到達する末期的症状で、副作用の強いドセタキセルが効かなくなった「去勢抵抗性前立腺がん」の患者向けに有望とみられている。
「GRN-1201」は、血中がんを除く固体がん全般を対象とし得るがんワクチンで、メラノーマを適用対象に米国での臨床試験を準備中。今後、FDA(米食品医薬品局)に臨床試験実施申請資料を提出する予定。欧米人や日本人が保有するHLA-A2型(欧米人の50%、日本人の40%)に反応するため、グローバルに対応できる可能性を秘めている。
今後の開発スケジュールだが、「ITK-1」はあと2-3年で第3相臨床試験を終える見込み。その解析終了で1億円、製造承認申請で8億円、承認までで総額20億円+販売ロイヤルティー5%の収益が期待される。「GRN-1201」に関しては、会社側はITK-1の解析終了時期までにライセンスアウトを決めたい、としている。
足元はGRN-1201の先行投資期間のため今2016年3月期も赤字見通しだが、ITK-1が順調に進めば18年3月期あたりでの黒字転換が期待できる。
[本紙10月6日付2面]
グリーンペプタイド(4594)が10月22日、マザーズに新規上場する。
同社は久留米大学由来の技術(創業科学者は同大学がんワクチンセンター長の伊東恭悟教諭)などをベースに、がん免疫治療薬の開発や販売を手掛ける創薬ベンチャー。久留米大学の研究成果である200種類超のがん抗原ペプチドについて権利を保有していることが強み。
がん免疫療法は、外科手術、放射線治療、化学療法に続く“第4の治療法”といわれている。体に備わった免疫系を利用して、がんの増殖スピードを抑えることで生存期間の延長を実現させるもので、「がんワクチン」と「免疫チェックポイント抗体」に二分される。このうち同社が開発しているのは、がん細胞が作るペプチドを目印として、がん細胞を攻撃する「がんワクチン」の方。
がんワクチンには、遅行性(投薬から効果発揮まで時間がかかる)、免疫逃避(がん細胞が目印となるペプチドの生産を止め、治療薬の標的から外れようとする反応)という課題があった。同社では免疫メモリーのあるペプチドを投与することで薬効の早期発揮を図るなどして課題を克服した。
パイプラインは「ITK-1」と「GRN-1201」の2つ。
「ITK-1」は前立腺がん患者向けで、HLA-A24という日本人の60%が保有する白血球型に効果を発揮する。2011年に富士フイルムにライセンス導出し、現在、冨士フイルム主導で第3相臨床試験を行っている。中間解析も通過した。
前立腺がんの中でも、ホルモン療法(武田薬品のリュープリンなど、男性ホルモンを抑制してがん細胞の増殖を抑える方法)、化学療法(ドセタキセルやカバジタキセルなど)を経て到達する末期的症状で、副作用の強いドセタキセルが効かなくなった「去勢抵抗性前立腺がん」の患者向けに有望とみられている。
「GRN-1201」は、血中がんを除く固体がん全般を対象とし得るがんワクチンで、メラノーマを適用対象に米国での臨床試験を準備中。今後、FDA(米食品医薬品局)に臨床試験実施申請資料を提出する予定。欧米人や日本人が保有するHLA-A2型(欧米人の50%、日本人の40%)に反応するため、グローバルに対応できる可能性を秘めている。
今後の開発スケジュールだが、「ITK-1」はあと2-3年で第3相臨床試験を終える見込み。その解析終了で1億円、製造承認申請で8億円、承認までで総額20億円+販売ロイヤルティー5%の収益が期待される。「GRN-1201」に関しては、会社側はITK-1の解析終了時期までにライセンスアウトを決めたい、としている。
足元はGRN-1201の先行投資期間のため今2016年3月期も赤字見通しだが、ITK-1が順調に進めば18年3月期あたりでの黒字転換が期待できる。
事業内容 | がん免疫治療薬の研究、開発、製造、販売 |
---|---|
本社 | 福岡県久留米市百年公園 1-1 |
代表者 | 永井健一 |
設立 | 2003年5月 |
上場前資本金 | 6億4,258万5,000円 |
発行済株式数(上場時) | 3,180万7,700株(上場時) |
筆頭株主 | イノベーション・エンジン創薬支援投資事業有限責任組合(上場前24.57%) |
公募株式数 | 6,500,000株 |
売出株式数 | 6,052,900株(オーバアロットメント 1,882,900株) |
初値 | 414円(8.0%安) |
公開価格 | 450円(10/13) |
ブックビル仮条件 | 450~550円 (10/2) |
ブックビル期間 | 10月5日~10月9日 |
引受証券 | みずほ(主幹事)、いちよし、エース、SBI、香川、マネックス、東海東京、藍澤 |
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
---|---|---|---|---|
2014/3 | 933百万円 | 19百万円 | 1円 | -円 |
2015/3 | 821百万円 | △413百万円 | -円 | -円 |
2016/3(予想) | 832百万円 | △1,328百万円 | -円 | -円 |
[本紙10月6日付2面]