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IPO2015年10月7日

☆新規上場紹介 日本郵政(6178) 11月4日、東証。郵政グループの持ち株会社 

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郵便・物流強化がカギに 不動産保有額は1兆5,000億円

日本郵政グループの持ち株会社で、グループ戦略の立案・実行を担う、日本郵政(6178)が11月4日、東証に新規上場する。便宜上、「所属部未定」だが、東証1部となるのは確実。26日の売り出し価格決定日に発表される。

傘下には、「日本郵便」のほか、今回同時上場する、「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」を抱え、巨大な総合サービス・金融グループを形成。「郵便」「銀行」「保険」という、3つの異なるジャンルを「郵便局」という窓口ネットワークでつないだ事業展開に特色を持つ。

日本で郵便事業が開始された1871年から、今年で145年目。公共事業として培ってきた国民の信頼感が大きな強み。小泉純一郎元首相の下での解散・総選挙を経て、2005年に郵政民営化法案が成立。06年1月23日に日本郵政が設立された。同年秋には傘下各社を含めた日本郵政グループが発足し、12年10月の再編(郵便局株式会社と郵便事業株式会社が統合し、日本郵便に)を経て、現在に至っている。

昨年末の郵便局数は、2万4,490局。ほかのサービス、金融各社と比較しても圧倒的な存在感を保つ。公共性の観点からのユニバーサルサービス義務付けによるものだが、全国津々浦々に張り巡らせた郵便局網は、地銀との提携強化なども含め、新たなビジネス展開拡充の武器としても注目されている。

上場前に100%保有してきた、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式は、今後50%超をメドに売却を進めていく方針だ。現在、グループ内の収益の大半は、この金融2社が稼ぎ出しているが、両社からの代理業務手数料に依存する日本郵便などの収益力強化が今後の大きな課題となりそう。

そうした中、既に今春、6,000億円強を投じた豪州物流大手・トールHDの買収を発表するなど、国際物流強化に向けた対応も進められている。日本郵政はまた、逓信病院、かんぽの宿、メルパルク事業を展開するほか、今秋にはJPタワー名古屋、来春にもKITTE博多開業を目指すなど、近年不動産事業の展開も拡充が進んでいる。もちろん、東京・丸の内のJPタワーや、サッポロ三井JPビル、大宮JPビルといった既存物件も豊富で、グループの不動産保有額は1兆5,000億円と、大手不動産会社にも匹敵する水準にある。

4月1日に公表した中期経営計画「新郵政ネットワーク創造プラン2017」では、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の各教科策のほか、「郵便・物流事業の反転攻勢」「郵便局ネットワークの活性化」などが掲げられている。

概 要
事業内容郵便・国内物流事業、国際物流事業、金融窓口事業、銀行業、生命保険業を営む子会社の経営管理及びそれに付帯関連する事業
本社東京都千代田区霞が関 1-3-2
代表者西室泰三
設立2006年1月
上場前資本金3兆5,000億円
発行済株式数(上場時)45億株(上場時)
筆頭株主財務大臣(上場前100%)
公募株式数0株
売出株式数49,500万株(国内:39,600万株、海外:9,900万株)
初値1,631円(+16.5%)
公開価格1,400円(10/26)
ブックビル仮条件1,100~1,400円 (10/7)
ブックビル期間10月8日~10月23日
引受証券野村(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、大和、みずほ、SMBC日興、岡三、東海東京、いちよし、SMBCフレンド、藍澤、岩井コスモ、東洋、丸三、水戸、マネックス、SBI、松井、エイチ・エス、エース、極東、高木、立花、ちばぎん、内藤、日本アジア、むさし、光世、リテア・クレア、クレディ・スイス、ドイツ、バークレイズ、メリルリンチ日本、UBS、シティグループ、あかつき、安藤、今村、ウツミ屋、岡三にいがた、岡地、木村、共和、上光、長野、中原、新潟、西日本シティTT、西村、日産センチュリー、ニュース、八十二、ばんせい、フィリップ、ふくおか、三木、三田、山和、豊、リーディング

業績推移
経常収益経常利益1株利益配当
2014/315,240,126百万円1,103,603百万円106.46円96.66円
2015/314,258,842百万円1,115,823百万円107.26円11.13円
2016/3(予想)14,210,000百万円860,000百万円85.20円23.00円

[本紙10月8日付1面]

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