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IPO2016年2月5日

☆新規上場紹介 中本パックス(7811) 3月3日、東証2部。創業65年、老舗の包装資材開発・加工業者

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中本パックス(7811)が3月3日、東証2部に新規上場する。

1941年に前社長が台湾で立ち上げた紙販売業者を起源に、1950年に創業。数年後に始まった大手乳業メーカーとの急速な取引拡大を契機に、単なる紙の販売から、専門性の高い紙の印刷加工へと業種転換を進めて、現在に至る。

手掛ける技術は、美術品にも使われる高精度印刷「グラビア印刷」のほか、表面にフィルムを貼ったりして保護・強化する「ラミネート加工」や「コーティング加工」、プラスチックシートに熱を加えて形を変える「成型加工」など。これら技術と材料を、食品から建材、IT向けとさまざまな領域のメーカーなどに提供している。

中でも得意とするのが「食品関連」で売上高の6割超を占める。弁当や総菜向けの容器およびトレー、あるいは、乳製品や菓子、ハム・ソーセージなどの包装資材の元となるシート状のフィルムを開発・製造・販売している。独自開発品も多く、例えば、電子レンジを使用しても変形しない透明なトレー「NAK-A-PET」、オーブンにも対応する「NC-PET」などがある。ちなみに同社の売上高の約1割は、食品トレー製造で国内最大手のエフピコ(7947)向け。エフピコの原材料の大部分を中本パックからの仕入れが占めているようだ。

次点は「生活資材関連」で売上高の1割程度を占める。ホームセンターなどで市販される「ふとん圧縮袋」などを手掛けるが、この技術を応用した「エコプレスパック」が、福島原発事故に伴う除染作業で利用されている。除染で発生した枯葉など汚染廃棄物は袋などに収容した上で保管されるが、「エコプレスパック」を使えば容量を4分の1に圧縮。保管場所を有効活用することができる。

そのほかの領域には、遮光・気密性に優れた医薬品の外装袋や湿布用のセパレートフィルムといった「医療・医薬関連」、壁紙やふすま紙など「建材関連」、パソコンやモバイル機器の画面保護や自動車用リチウムイオン電池に使われるラミネートフィルムといった「IT・工業材関連」などがある。

概 要
事業内容グラビア印刷加工、ドライラミネート加工、コーティング加工および成型加工による製造販売
本社大阪市天王寺区空堀町2-8
代表者中本髙志
設立1950年10月
上場前資本金5億6,925万円
発行済株式数(上場時)391万8,560株(上場時)
筆頭株主中本髙志(上場前19.15%)
公募株式数550,000株
売出株式数570,800株(オーバアロットメント 168,100株)
初値1,480円(10円高)
公開価格1,470円(2/23)
ブックビル仮条件1,440〜1,470円(2/15)
ブックビル期間2月16日〜2月22日
引受証券野村(主幹事)、みずほ、三菱UFJモルガン・スタンレー、SMBC日興、SBI、エース、岩井コスモ、髙木

業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2014/230,483百万円1,253百万円233.20円45円
2015/231,379百万円1,165百万円188.36円62.5円
2016/2(予想)30,300百万円1,120百万円204.40円62.5円

[本紙2月8日付2面]

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