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IPO2016年9月27日

☆新規上場紹介 九州旅客鉄道 19年ぶり4社目のJRグループ登場

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九州旅客鉄道(9142)、いわゆるJR九州が10月25日、東証(所属部未定)に新規上場する。

JR東日本(9020)JR西日本(9021)JR東海(9022)に次ぐJR4社目の上場。言うまでもなく、主力事業は九州全域で展開する「運輸サービス」で、近年では2011年3月に全線開通した新幹線や、豪華寝台列車「ななつ星」などが話題に上った。

そのほかにも、駅ビルやオフィスビルの管理運営を行う「駅ビル・不動産」、鉄道にかかわる土木工事やメンテナンス、一戸建て住宅の建設・販売まで手掛ける「建設」、駅売店や飲食店を運営する「流通・外食」といった事業を展開している。

主力の「運輸サービス」は売上高の約4割を占めるものの、16年3月期は105億円の赤字だった。利益面でのけん引役は、売上高比率では1割程度にすぎない「駅ビル・不動産」で、利益の9割超を稼ぐという構図になっている(前期の営業利益は204億円)。ちなみに旅客運輸収入は前期末時点で約1,500億円。新幹線効果もあり、直近3期は1―3%程度ではあるが、増加傾向が続いている。

会社側は引き続き事業の多角化を積極化するもよう。例えば熊本駅や長崎駅、鹿児島中央駅などの主要駅周辺の再開発を行って、駅を中核とした地域創生を目指すとしている。その一方で「九州外エリアへの挑戦」も明らかに。17年には沖縄県那覇市に、19年には東京・新橋にホテルの開業を予定している。

株主還元にも積極姿勢を見せており、「配当性向30%程度」「株主優待制度新設」との方針を示す。株主優待としては3月末時点の株主に、運賃を5割引きする鉄道株主優待券などを所有株数に応じて贈呈する。

概 要
事業内容運輸サービス、建設、駅ビル・不動産、流通・外食およびそのほか事業
本社福岡県福岡市博多区博多駅前3-25-21
代表者青柳俊彦
設立1987年4月1日
上場前資本金160億円
発行済株式数(上場時)1億6,000万株(上場時)
筆頭株主独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(上場前100%)
公募株式数0株
売出株式数1億6,000万株(国内1億2,000万株、海外4,000万株を予定)
初値3,100円(19.2%高)
公開価格2,600円(10/17)
ブックビル仮条件2,400~2,600円(10/6)
ブックビル期間10月7日〜14日
引受証券三菱UFJモルガン・スタンレー、野村、JPモルガン、SMBC日興(国内主幹事4社)のほか59社
 
業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2015/33,574億円127億円 93.83円ー円
2016/33,779億円208億円ー円ー円
2017/3(予想)3,788億円518億円238.75円37.50円

[本紙9月28日付2面]

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